Witch さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「どうせ『猫かわいい』のあざとい癒しアニメやろ」→きちんと「ラーメン店だから面白い」が担保されている
【レビューNo.149】(初回登録:2024/10/27)
コミック原作で2024年作品。全12話。
(ストーリー)
人間の社珠子は気が弱く、前職ではブラック企業で言われれば何でもやる性格
を良いように使われていた。
ラーメン赤猫店舗の前の店主だったおばの紹介で、ラーメン赤猫の面接を受け
ることに。
そこでは店長の文蔵を始め、猫たちだけで切り盛りしているのだった。
面接をクリアすると先ずは猫たちのブラッシングから―――
こうして珠子と猫たちの新しい日常が始まるのだった。
(評 価)
・予想を覆す!きちんと「ラーメン店だから面白い」が担保されている
率直なところ視聴前はさほど期待していなかったんですよね。
「どうせ『猫かわいい』のあざとい癒しアニメやろ」
確かに猫を活かしたかわいげのあるキャラデザではあります。
しかし店長文蔵がはちまき姿でCV:津田健次郎さんとか・・・
それだけで職人気質のこだわり店長感あって、この配役天才だろ!!
初っ端の偏見がこれで吹っ飛びましたね(笑)
結構ガチっぽい。
次に目を引いたのは 釘宮理恵さん演じるハナですね。
・ホールでは猫のかわいさを活かしたあざとい接客をみせるも
・それはプロ意識の高さによるもので、仕事には厳しく割と毒舌
これもいい意味で期待を裏切ってくれましたね。
また普段は接客・レジ・経理担当も実はラーメン赤猫の経営者(CEO)の
佐々木さんというキャラも秀逸。
これで店舗経営とかそういう方面のエピソードも創れますし。
ベースは確かに「猫×人間」のほっこり人情話や癒し系ではあります。
しかし他にも麵職人のクリシュナがいたりときちんと「ラーメン店だから
面白い」を描けている作品だと思います。
・設定や構成などがしっかり考えられている
珠子の重要な仕事はブラッシングですが、
・”全身からの抜け毛”という猫特有の問題でしっかり猫感を演出しつつ
・「珠子×猫店員」とのコミュニケーションの時間をつくり、それぞれの
キャラを深堀
これはなかなかに秀逸な仕掛けでしたね。
また本作は1話の中にいくつかのサブタイトルを付して小気味よく小エピソ
ードを展開していくスタイルでしたが、それもリズムを生んでよかったと
思います。
そしてCパートに「毎日赤猫」という小ネタ集を入れていたのも上手い構成。
凡作だと本編の中で尺調整するので、すると間延び感が生まれたりするんで
すよね。
しかし本作は「毎日赤猫」で本編自体の尺を調整。これにより最適なテンポ
で本編を提供していたという印象ですね。
最初は懐疑的でしたが
・猫というキャラクターのかわいさを活かしつつも
・きちんと「ラーメン店だから面白い」が担保されていて
・(物語の起伏に乏しい)ほっこりした日常系ながらも間延び感なく視聴しやすい
終ってみれば、思わぬ伏兵だったなあっと。
最後も綺麗な結末で締めてくれますし、まったりと観るにはオススメな作品では
ありますね。