二足歩行したくない さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
向う方向がわからなくなってしまった者と、追い求め始めた者の物語
アニメ【推しの子】 2期。
伝説的アイドルグループ・B小町のセンター「星野アイ」の隠し子として生を受けたアクアとルビー。
前作に引き続いて、アクアは母の復讐のため父親を探し続け、ルビーは母の面影を追ってアイドルを目指す。
本作ではその一区切りが一旦つのですが、まだ気づいていない裏の事実が示唆されており、彼らの物語は3期に続くようです。
アイの交流関係の狭さから、父親が芸能界にいると睨んだアクアは、人気漫画・東京ブレイドの2.5次元舞台に出演することとなる。
2期の本作の舞台はほぼこの東京ブレイドで、そこに出演するキャスト、脚本家、プロデューサーたち、そして原作者との確執など、華々しい現場の裏事情を交えて展開する内容となっています。
役者としての成長であったり、舞台脚本の難しさであったり、サスペンスドラマというよりも芸能界、特に演劇にスポットがあたっています。
そのため、本筋からはやや脱線している感じがありましたが、舞台で演じる役者たちの真剣さ、臨場感が伝わってくる、いいストーリーだったように思いました。
紆余曲折あった末に舞台は終幕し、ストーリーが大きく動きます。
正直、アニメ的には、"実は"というのは見せずに終わらせることもできるポイントだったと思うのですが、3期もやるつもりの2期だったのだろうと思います。
原作も半分もアニメ化していないのですが、ガッツリ10期120話なんていう壮大なサーガになるまでアニメ化し続けるつもりなのだろうか。
3期で終わりとも思えないのですが、ほどほどのおもしろいうちに切り上げて欲しいという、なんとも複雑な気持ちでもあります。
舞台演劇の表裏というところですが、前作のようなネット批判するような内容はなく、平穏ではないものの物議を醸すようなところはなかったです。
芸能人同士の大人な恋愛がある、とはいえ不健全なそれはありませんでした。
アイドルやアニメ・マンガに推しがある、それこそ中高生女子には興味深い内容だったんじゃないかなと思います。
再現性がどうだとか、コスプレで見苦しいとか、2.5次元はそれこそネット上で批判ありそうですが、その描写はなかったですね。
ちなみに推しの子の東京ブレイドは、2024年12月に本当に舞台化するようです。
舞台演劇の知名度向上に一役買うつもりなんでしょうかね。
あまり見に行ったことないですが、観ると普通におもしろいと思うので、これを機会にと思う方はこちらもおすすめします。
サイドストーリー部分の比重が多いワンクールでしたが、クオリティが高くおもしろかった。
3期も楽しみです。