四ツ谷ミツル さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
新次元Clover Works流☆鎌倉Style
原作未読のアニメ完全初見の感想。
これは豊かな色彩と血飛沫踊る神作画だ。面白かった。
この作品、Clover Worksが皮を一枚も二枚も破った神作画だ。
始まりはジ◯リを連想させる温かみのあるノスタルジックな風景が鞠(生首)が落ちた瞬間血塗れの合戦が繰り広げられる。まずこのギャップにビビった。両手の刀に生首3つブッ刺して狂気じみた笑い声を上げる武士とか昨今のコンプラ時代でよく描けたもんだ。血もちゃんと鮮血の赤がびしゃびしゃ降り注ぐ。
合戦のグロ描写もさる事ながら時行の"逃げ上手"が発揮された瞬間、鳳凰の羽みたいなのが背中から生えたりあえて墨っぽいタッチで描かれるキャラクター達の躍動感まで余す事なく表現し尽くすClover Works、凄すぎる。
勝手なイメージだが、Clover Worksは王道できっちり見たいものを提供してくれる制作会社だと思ったのでこんな邪道な派手さを見られるなんてどれだけ引き出しがあるというのか。本当に素晴らしい。
流石に騎馬戦とか馬乗ってバトルする所はCG多用ではあるが、CGのクオリティがかなり高いのでほとんど違和感が無かった。
OPEDは個人的に結構好きな感じだ。
作品に寄り添った歌詞と爽やかな疾走感あるOPに鎌倉×DJスタイル光るEDは新しくて良かった。どっちも作画めっちゃ良い。
そして本作、キャラクターがめっちゃめちゃ濃い。敵が特に濃ゆい濃ゆい。
一応時代劇ファンタジー…という括りだろうか?瞼の中に瞳が何個もあったり眼球が伸びたり、身体に蟻が這いずっていたりと風貌がもう個性的だ。
特に尊氏は今回出番は少ないが得体の知れないヤベー奴感がビシバシと漂っていた。時行マジでこれと戦うん?ヤバすぎやろ。
声優さんについては全員合っていた。
相変わらず中村悠一さんは引き出しが多いし、足利尊氏役の小西さんはすげーハマり役だと思う。時行御一行はほぼ女性声優さんが演じられているが、違和感なく少年少女だった。
で、ストーリーは…うーん、ちょっと評価が難しい。
と言うのも、この作品はどの層向けかがイマイチ分かりづらい。
血飛沫描写的に子供向けでは無いだろうし、(見ちゃいけません。多分泣くで)
でも時行御一行は全員子供やし…うん、その辺がお好きならサイコーだと思う。
最初リアル路線かと思ったが、結構ファンタジー要素がある。が、ぶっとんだファンタジー活劇と割り切れるほどでも無い。
まあこの辺は好き好きなのでハマる人はハマるだろう。
物語のラストもよくある感じではあったが歴史の一幕、まだまだ続く…といった巻き物演出は良かった。
ちなみに自分の一番好きなシーンは「仏様…」や。あれなんか感動してしまった。血飛沫の中でめっちゃ無邪気な時行、恐ろしいやら愛しいやら。
そんな感じでキャラやストーリーは結構尖っているが作画はガチの神だ。グロ系(とちょっと虫系)大丈夫な方だったら新次元神作画のClover Works、視聴してみては如何だろうか。