STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
黄前 久美子とその同学年組も最上級生の3年生に。
久美子が部長に、塚本 秀一が副部長、高坂 麗奈がドラムメジャーとそれぞれ役職に
就いたこともあり、これまではプレイヤーとしての苦労が主だったのに、本作では部員を
引っ張る立場としての苦労も。
これに関しては滝 昇という顧問がいるため、中間管理職的な大変さを感じる。
本作で部内の問題の要因となっていたのは、大会ごとにオーデイションを行う方式への変更、
黒江 真由の転入、滝に対する部員の信頼度の低下が考えられる。
滝に関しては本作での行動を見るにつけ、そもそも演奏自体への指導はともかく、人の心を
汲み取って指導したり、組織をまとめたりする部分はそれほどでもないのかも、という気が。
これまでは滝自体の実績が指導者としても凄いものに映っていたり、滝赴任前の北宇治高校
吹奏楽部のレベル自体が低かったために逆に伸びしろがあったためにそれが凄い指導力に
見えたというのもあったのかも。
この滝への信頼度を巡っては久美子と麗奈が対立する展開も。まあ最終的には
仲直りすることはできたが。
ただこれまでは百合的描写をするような本当の仲の良さを見せてくれた久美子と麗奈だが、
本作における仲の修復は表面的なもので、逆に二人の決別を描いているように見えた。
これは久美子が音大に進学しなかった理由の一つでもありそう。
今後も会うことがあれば、食事をしたり、お茶したりすることはあっても、もう以前のような
精神的にも繋がっているような関係には戻れないように思える。
ストーリーの方は、北宇治高校吹奏楽部自体は全国大会で金賞受賞というめでたしめでたしの
結果だが、久美子の方は最終オーディションでもソリストになることができず。
実はこのオーディション結果が原作とアニメである本作とは異なるそうで、いわゆる
原作改変というやつ。
本作発表時はまだ「セクシー田中さん」の問題の記憶が新しいところで、そういう意味では
なかなかデリケートな問題という感も。
本作に関しては原作者了承済みということらしいが、こういうのは原作者が積極的に改変に
賛成している場合もあれば、大人の事情で不承不承という場合もあり、事情を知らない身と
しては肯否自体は言わない。
結末の形としては久美子というヒロインを主軸にして、彼女の努力が報われカタルシスが
得られる作品にするなら原作の形の方が良いだろうし、吹奏楽部全体に軸足を置いて、1期の
序盤で決めた実力主義が最後までぶれなかったという点を強調したいなら本作の形の方が
良さそう。
作画は相変わらずきれいだが、これまでに較べると売りの一つである演奏シーンが
少なくなったようで、クライマックスである全国大会に絞ったような感じ。
これは演出的なものなのか、例の事件の余波でまだ人的資源が足りない状況なのかは
分からないけど。
2024/10/15