「アルドノア・ゼロ(TVアニメ動画)」

総合得点
87.3
感想・評価
2734
棚に入れた
14359
ランキング
164
★★★★☆ 4.0 (2734)
物語
4.0
作画
4.1
声優
3.8
音楽
4.1
キャラ
3.8

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ネタバレ

アニメイト さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

本当に面白い!!!

コードギアス+幼女戦記+進撃の巨人+エヴァ+キルラキル(共通点は少ないけど音楽だけでよぎる)−この5つの作品のゴア表現、で÷4。すなわちこれらの傑作より面白い。

先が読めそうで読めないのよね。2期で火星側の協力者ポジか一人増えるぐらいしか読めなかった。(マズールカ)

何が良いか。まずストーリーが満点。アニメって観る人にもその人の観るタイミングにもよるんだろう。子どもの頃であれば、コードギアスのダイナミックな展開が好みで、伊奈帆はずっと戦術的勝利ばかりで飽きてたかも。

ただ戦術的勝利のプロセス一つ一つの完成度の高さとバリエーションの多さが凄い。
1、全てを遮断できるバリアは兵器として欠陥がある 2、反応装甲、剣士の手首を掴む、水蒸気爆発 3、ロケットパンチを銃弾で逸らす、発射口の弱点 4、周囲1kmの原子運動を止める敵にグレネードを使って熱源を供給しながら接近する 5、風・重力の弾道に与える影響の計算 6、軌道上からの座標・時間制限付き狙撃支援 7、直進する光線兵器に対する水平線の影に隠れて実弾兵器を曲射狙撃 8、気流でステルス看破 9、電位を移して電位差による雷撃を防ぐ(電圧に何故耐えられたかは不明) 10、影分身する相手全員を同時に倒す 他にもスレインが行った打った弾が軌道をぐるっと回ってきて6時間の時間差攻撃も良かった。

落とし所も切なさと憎しみの連鎖を断ち切れる限り断ち切った良いところ。

主人公とライバルが力で何とかするのではなく、正統な権威のある王女が女王になり、軌道騎士と結婚して軌道騎士達を治めるのが良かった。この方法でこそ火星も軌道騎士も、スレインも伊奈帆も鞘を収められる一番の方法だと思う。
ただ地球軍はどうなんだろ?アセイラム姫殺そうとしてたしな

伊奈帆とアセイラムのボーイミーツガールが、美しい思い出になったのが切ないながら、そこがまたキュンポイント。

戦中はどちらについてもどっちかは寝取られた感があったろうし、どっちともくっつかないのもまた正解。

あくまでも結婚の際にクランカインの全てをアセイラム姫が預かると言っている形での結婚のため、地球と火星が友好で安定すれば、政略結婚を破棄し、伊奈帆とくっ付く可能性を存分に残している。

尋問シーン(スレインされる側、伊奈帆する側)やら火星人は嫌い(だから火星人の自分が嫌い)やら補助アーム(での破壊描写が修理に使われたり、伊奈帆のサイボーグ強化の伏線にもなる)やら作中で巧みに繰り返しの描写や逆転の描写を行っていたため、スレインとアセイラム姫(レムリナ姫変装)の婚約があっさり覆ったことの繰り返し描写で、クランカインとアセイラム女王の結婚もあっさり覆ることが綺麗に繋がる。

キャラ名・兵器名・軍事用語などのネーミングセンスもカタカナ語で絶妙に馴染みを外していてカッコよかった。

僅かながら伊奈帆に神話要素を入れていたのもお洒落。

幼なじみ、高校生らしさ、などの青春要素も十分にあった。

姉と弟のイチャイチャっぷりがいやらしさすら少し感じる濃厚さ

主人公の貝塚伊奈帆は、大人しくて頭が良い、現実のパッとしない人たちが自己投影するタイプの主人公かなとイラストだけでは警戒していたけど。
まさかまさかの超絶人として善の感情を剥き出しにしてくるタイプで、無口でマイペース何考えてるか分からない、普段のギャップで殺しにくるタイプの主人公だった。実際殺された。カッコ良すぎる。

まず2話の時点で自分の握力次第で友達を殺してしまってる時点で、2期の自分が一番強くて他を足手纏いなんて謙遜じゃなく素で思ってるわけないし。

姫の生存を最初は仮説として見抜き切れていなかったのもご都合主人公とは違うところだし。

そして友達の死によって、火星カットと戦う決意をするのも、
姫が自ら正体を明かしたり、戦地に命を顧みずに出て行こうとするのを見て、それだったら僕が先にやれることやってこの人を守らなきゃ、守りたい、と思うのも。
姉のpost-itを見てカメラに見切れる一瞬だけニッコリして胸ポケに大事にしまうのも、

後は忘れたけどもっとキュンを超えてギュンとくる主人公の善なる心が描かれるシーンがあったと思う

メカの動きの良さ、1期の地上で質量を感じさせる動きや、2期の宇宙での縦横無尽な機動力

1期の火星カットの科学テクノロジーが全く異次元のレベルにある物が戦略基地兼居住空間の大質量で降ってきて同時に周りを焼き払うや余裕綽々でのっそのっそ闊歩して星を侵略しにくる絶望感 (地球防衛軍と進撃の巨人のエッセンス)

最初に緊迫感を与えるために親しいキャラが一人死ぬけど、それ以降は思い入れのあるキャラが死ぬ視聴者への心理的な負荷を考慮してか死なさない配慮

後2話だけあって、日常回とか船内での生活とか、クリスマスパーティとかのパーティイベントとか、地球でアセイラム姫とのお買い物デート(をストーカーする韻子や、軍備を活用して覗く不見先、マグバレッジなど部隊員)とかそんなのも見たかったなぁ。

不見先とマグバレッジと鞠戸と耶賀頼と以外のサブキャラ描写が少し時間が少なかった印象。この4人にしても同じことをしているシーンが多く、もう少し違う状況ではこのキャラどう動くというのが見たかった。

裏切り者が地球サイドにいるかもって話が結局無かったのも、ある意味読めなかった。

戦闘面でも、韻子は橋の狙撃やコンテナぶち当て描写からスナイパーとしてもう少し覚醒した描写を期待していたし、カームは熱量の足りなくてミスしまくったり先輩に怒られたりしたり、一応後輩を叱りつけるシーンはあったけどもっと超人的な整備描写があったり、あるいはパイロット転向を志しては伊奈帆スゲーしたり、やっぱやーめたとコロコロ態度を変えたりしても良かったと思う。

でも少し物足りないのも含めて、その引き算によって綺麗にまとめたってことだと思う!

素晴らしい作品でした!!!これで生涯作品3指に入るのはよりもい、アルドノアゼロ、シュタゲに変わったかな。(コードギアスとアルドノアゼロが入れ替え)


以下良い感じにYouTubeコメで言語化できたので自己引用
終わり方良いよね。姫が女王になって軌道騎士と結婚して火星も軌道騎士も正統性で収めて休戦を持ちかけるの強すぎる。 完全にステレオタイプなイメージだけど中世社会らしいとされる火星サイドだから、そういう正統性を重んじたやり方がピッタリでこれ以上ない。 アセイラム姫はずっと救いの手を差し伸べ続ける超人として、特にライエと対比させて描かれていてそのオチに一貫しているし。 それにずっとずっと休戦・終戦を望んで、火星サイドにそれを伝えようとしていて、その声が届かなかったり、裏切られたりしてきたのが、それでもずっとずっとやってきたことが、最後は結局超人の姫らしくその通りにしてしまった、という形が本当に美しい。この生き様はコードギアスのユーフェミア皇女を思い出す。

残り二人の主人公たちが武力制圧して終わりじゃないのが暴力で解決してないってのが本当に珍しい。

綺麗にまとまりすぎて王道に思えるけど、大抵は主人公がボコリ倒して相手に負けを認めさせてから言葉でも沁みるのを言って負けを認めさせるのが王道だから A/Zの終わり方は王道じゃないんだよな。

で、かつ残り主人公二人も意味が無かったかというとそうではなく、姫を守る騎士らしく姫の命を繋いで来たからこその終戦オチだから、まーじで綺麗で完璧。

急な結婚で伊奈帆が素敵な思い出になったのも、それはそれで切な美しいし、一方スレインとアセイラム姫の偽装結婚もあっさり翻ったことを思うと、実権を握っているアセイラム姫がクランカインに話を元々通していたり、後に話してから綺麗に別れて伊奈帆とくっつく可能性もある。

投稿 : 2024/10/09
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