STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
テレビ放映時、同時期に放送された「怪獣8号」と同じく、使い古されたモチーフを新しい
切り口で描こうとした作品で、「怪獣8号」が怪獣を扱ったのに対して、本作は戦隊ヒーロー
もの。
本来はモブ的存在の戦闘員が主役であり、更にヒーロー側の「大戦隊」と「悪の怪人軍団」の
戦いが、実は「大戦隊」主導によるやらせという状況が面白い。
こういった状況のため、主役の戦闘員Dに関して組織として最下層にありつつ、「大戦隊」に
やられ役を強いられるという底辺としての悲しさや怒りもうまいこと描かれている。
主人公に共感したり、戦闘員たちの心情を思ったり、逆に大戦隊のやり方を見ていると、
「悪の怪人軍団」が善で、「大戦隊」が悪のように思えてくるが、「悪の怪人軍団」自体は
侵略者であり、幹部のペルトロラが登場して人間を殺害しまくったり、逆に「大戦隊」側に正義の
心を持った者がいたりと、単純に白と黒で割り切れるような状況ではなさそう。
割り切れないと言えば、戦闘員Dの心情もそんな感じで「大戦隊」を倒すために内部に
潜入したものの、同じ候補生に仲間意識が芽生えたのか、ペルトロラの襲撃にはペルトロラに
敵対したりとなかなか複雑。
更に「大戦隊」と「悪の怪人軍団」の二極だけでなく、正体不明だが戦闘員Dに協力的な
錫切 夢子がいたりで、その正体や目的も気になるところ。
他にも候補生試験の頭脳戦など、見どころはいっぱいあったが、全体的に色々と
はしょられている感がある。
アニメ化にあたって省略された部分があるのなら、それを補うアニオリや演出が
必要だったりするが、その辺のフォローが今ひとつで、せっかくの設定や伏線などが
活かしきれていない感があった。
キャラに関しては戦闘員D以外にも複雑なバックボーンを持つキャラが多くて、印象深い
キャラが多いが、個人的には一際印象深いのは錫切。
元々謎めいた存在の上に、光のない瞳や感情が希薄な喋り方でそれでいて大戦隊の他の
メンバーに対する挑発的な言動など、ミステリアスさに輪を掛けている感じ。
2024/10/05
2024/12/19 誤字修正