ハニワピンコ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
良い食材の旨いところだけ頂く
現代アニメであまり見られないような時代設定は、むしろアニメファン以外に波及して話題になっているという点と、シンプルにクオリティの高いアニメーション表現にシリアス過ぎないように入れられるギャグと共に見せられるのは古典も古典だが、そのミステリ解明自体を本筋としておらず、それが巻き起こる中での人間模様や宮廷謀略が良い感じで展開していくストーリーの肝であるのが、この作品の上手いところ
言ってしまえばトリック自体はシンプルで目新しさはなく、毒や時代背景による解明されてない物質などによる事故なども現代において見ると、それを活用するという部分ではもはややり尽くされている。動機まで語られることもあるけれど、あまり踏み込まない猫猫というキャラから見せられるそんな事件のトリック集と、それを利用する人間や周りが宮廷内や界隈に影響を及ぼすかみたいな部分を俯瞰的に、一応探偵という役割で、長々と長編一編で自身も一連の事件に巻き込まれながらというわけでもなく、状況だけ見て聞いて、すぐさま解明へと向かっていく、面白いところだけ摂取して謎解明ミステリ欲を適度に満たせる作品
最後は一応一連の工作があってのやんごとなきお人の命が狙われたという事件へと繋がったけれど、言われているようにいくつか不発もありの工作で、無くても良いと言われている以上、シークエンス的な盛り上がりも急激に繋げてきてはいたけれど、その繋がりが盛り上がったと言われれば微妙
ここら辺は全てが解明されないモヤモヤ感を考慮した上で、作品自体の荒を防ぐ方向に舵を切って取り繕っているのは非常に現代的な、なろう上がりの予防線を感じる
主人公のキャラ自体からも分かるように、器用に70点以上の提供を徹底している作品で、大きく外すことはなくむしろ好みな人はハマる世界観と普遍的なミステリ欲を適度に満たしてくれる、それは十分に話題になるのは分かる
こういう高品質な安定作は嫌いじゃないけれど、しかし自分としては、もう一つ何か欠点でもいいから作者の好みや“顔“が見えたり意外性がある見せ方をしてくれなきゃ、自分の好みにハマり切らないというのは昔から変わってない作品の見方
という点と{netabare}
作品自体は関係ないが自分の見方的に
あっおーいポスターの青春映画系、低品質実写映画系、単館系を経てブームになっているこのミスやなんたら大賞を取った受賞作を映画化する流れに辟易している。状況や舞台設定を現代のネット事象やアプリを利用して目新しさを見せているのかもしれないが、結局トリック自体は古典的なものを下地としつつ、単純な人と人の策略、特に参考にしたであろう新本格系の少し前のムーブメントのプロットと似通ったような見せ方は、本当に飽きている
そんな中今年生まれた、社会的な情勢をクリティカルに切り取り、専門的な知識に裏付けされた確かさの上でスタイリッシュにストーリーを見せてくれたドラマ2作と繋がれた作品の出来はその中でも群を抜いて良く、シンプルミステリ自体に飽きが来ていたのもあってハマらなかったのもある
{/netabare}