テングタケ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
可愛すぎるにも程があんだろ・・・
神作。
主人公が可愛い!とにかく可愛い。間違いなくアニメ史上一番可愛い。顔も可愛けりゃ声も可愛い。ミニスカートから覗くむっちりした太ももがまた可愛い。性格は、小学生らしく幼いところや我儘なところが残りますが、ペルシャみたいな発達持ちのうっすらぱーとは全然違い、要するに性格も可愛い。つまり全部が可愛い。
主人公だけではなく、周囲を固める脇役たちもみんな魅力的。家族にマジカラットの面々にテレビ局の人たち。誰もがみんな気持ちいい連中で、おかっぱやカメラ小僧にイライラさせられたペルシャとは雲泥の差です。
声優は相変わらず続投も多く、イケメンのボーイフレンド?役は三作連続の水島裕。ですが、キャラの年齢に合わせてちょっと演技を変えてきた感じで、またお前か感は薄いです。前作のカッパ3馬鹿はエキセントリックな演技を強要されてちょっと辛い感がありましたが、本作では自然な演技でのびのびと演じているのが分かります。あの千葉繁ですら、力を抜いた感じでお調子者の好青年を演じています。これも三連投の岬役は、あまりに馴染んでいて最初それ(ネガの人)と分かりませんでした。とぼけた味のトポとおじいさんも素敵でした。そして、髭のプロデューダーもいいですね。前作のブタ猫役も良かったですが、剛腕で強引ながらも根は優しい不器用な男にぴったりの声です。郷里大輔さん、惜しい人を亡くしましたね・・・。
ストーリーは、マミ・ペルシャのような怪異は出来るだけ出番を少なく、舞の周囲の人間ドラマが主軸となっています。演出もそれに合わせてなんかいい感じで、例えばトラブルからマジカラットを飛び出した進が、シャボン玉の最後の歌詞が思い出せたらスッキリして帰る、みたいな演出がとてもうまいと感じました。
そして何より極まるのが最終3話。「北風に一人ぼっち」「ためらいの季節」「さよなら夢色マジシャン」なんて副題を見ただけでも泣けてくるじゃないですか。そこまでは毎日1話は視聴していましたが、そこまで来たらもうすぐお別れかと思ってなかなか視聴が進みませんでした。「そうだ!見るたびに視聴時間を半分にしていけば永遠に最後までたどり着かなくて済む!」などとも思いましたが、やっぱりそれも現実的ではなく。
最後なので、どうやって魔法を失うかがじっくり舞の心象を絡めてエモく描かれます。マミは1年間のタイムリミットがあり、ペルシャは何か分からんうちに魔法を取り上げられていましたが、本作の舞は・・・。笑顔で「魔法返そう」と走り出したシーンはウルっとしました。すれ違いざまに「ボクシング頑張ってね」というシーンも名場面ですね。
OP・EDともにいい曲です。OPアニメの、踏切を待つ舞、突然電車に映る将と驚く舞の表情、踏切が上がる、回り込む舞と将のアップ、行き違う?二人。この一連の流れは完璧です(踏切開くの待っていたんじゃないんか?)。
で、完璧な神作ではあるんですが、評価は4.5。それはなぜか。
本作の変身シーンは、毎回完全に変身バンクの流用なんですよ(1話だけ体操着で変身していた)。やっぱり魔法少女物は変身シーンが見せ場だと思うんですよ。そこは絶対手を抜いちゃいけないと思う。その点、マミもペルシャも毎回ちゃんと描き下ろしてましたよ。それと、舞がシャボン玉に包まれていつの間にかエミになってるのもちょっと。別にキューティーハニーみたいにマッパになれとか、メルモみたいに尻にパンツ食い込ませろとか言わんから、少女から一気に大人の階段駆け上るところを描写してほしいんですよ。背がにょーんと伸びて、女性の象徴がふわっと膨らんでみたいな。毎回同じ変身シーンを見せられるので、当時雑誌で「エミの扱いが戦隊ものの巨大ロボになってる」と言っていた人がいました。言い得て妙です。折角変身後も魔法少女系の中でも断トツに可愛くてセクシーなのに、なんかお飾りのようにしか感じられないんですよね。ああ勿体ない。
というわけで、不満はあるものの間違いなく傑作な本作。「蝉時雨」も是非配信してください。お願いします。