てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ちょびっツの焼き直し…と思いきや、時代の進化を感じる
人型家電が普及している世界観で、家電ロボットを妻として愛を注ぐ主人公と、AIの家電ロボットとの交流劇。
【良い点】
AIに対して幻想を抱かずに、AIとして受け入れた上で、愛するという価値観。
多くのAIとの恋愛系はAIに人間的な幻想を推しつけがち(同時期放送のATRIとか)、本作の主人公はミーナをAIと自覚し上で愛しているし、ミーナもタイトル通り感情が無いAIに過ぎない。
それでも二人はちゃんとハートフルな交流が出来ているし、ミーナが可愛らしく思えてくる。
初見の印象は「ちょびっツの劣化焼き直し」だと思ったが、見続けると、平成初期のちょびっツに対し令和の本作が達した境地の違いが分かる。
ちぃへの恋に悩み模索し続けた秀樹、ミーナへの愛に迷いが無いタクマ。
どちらも素晴らしいけれど、良いか悪いかは別として、時代は進んでいる。
最終話両親含めた周囲の反応も、価値観の進歩をちゃんと感じる。
個々のエピソードも他愛のない日常の連続だが、妻が「感情が無い(はずの)AI」である事を生かした独特な着眼点を提示、意外に飽きさせなかった。
生活のちょっとした一幕に発見があり、着眼点が光る。
スーパーミーナが可愛かった。
【悪い点】
序盤の掴みが悪い。1話から2話だけ見ると劣化ちょびっツか、特殊性癖の男の妄言に思えてしまう。
回が進めばそれは払しょくされるが。
日常重視な裏腹、縦軸の波乱が弱い。
時代を映したかなり良いテーマ扱っているだけに、やや勿体無かった。
【総合評価】7点
ちょびっツ程の名作ではないけれど、ちょびっツから20数年が経過した時代の成果はちゃんと表れていて、案外侮れないSF作品。
AIとの恋というテーマとしては同時期のATRIより本作の方が面白かった。
評価は「とても良い」