とまと子 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
恋と噂話
高校の古文の先生が確か源氏物語の授業で、平安貴族は何もすることがなくて大変暇であった、という前段のあと
「みなさん、人が暇を持て余すと何をすると思いますか?それは、“恋”と“噂話”です。」
と言っていたのを憶えています。
その時わたしは「だったらわたしは恋をしよう」と決めました。
限られた時間を他人のために使うのはばかみたい
自分のために使おう、と。
でも噂話の人気はとても高くて男女を問わず話題の多くは噂話です。
わたしだって、自分の話題がいつのまにか他人への心無い噂話になっているのに気づいて途中で止めたりします。
いろはは最初、「恋多き女」。人の噂にのぼることもとっても多い子。
でも他人の噂話はしません。
つっつんは最初、恋はしていません。でも二次元にかける情熱はほとんど恋かも。
彼も他人の噂は気にしません。
いろはとつっつんがリアルのわたしと違うところは、きっとここです。
わたしが彼らに憧れて、大好きになって、応援して、涙するのも、きっとここです。
彼らが自分の気持ちを生きるのに精一杯で、他人のことなんか気にしている暇がないほど一生懸命なところです。
つっつんがいろはに恋をしたのも
いろはがつっつんに恋をしたのも、
きっとそこだったんだと思います。
「オタク」とか「ビッチ」とか、そんな他人が貼ったレッテルなんてどうでもいい同士だから、そういうのを簡単に乗り越えちゃう同士だから、惹かれ合ったんだと思います。
わたしは決して、「噂話は道徳的に問題だからしない」というわけではないです。
恋だってずいぶん非道徳的になることもあります。
ただ、他人のことなんかいつかは忘れてしまう。
他人に噂されていたことも嘘みたいに消えてしまう。
わたしは、「ときが過ぎても覚えてる だいじなこと」が欲しいんです。
いちばんだいじなことは・・・誰も知らないこと。
自分で動いて、確かめて、はじめてわかることです。
そのひとと直接向き合って はじめてわかる気持ちです。
自分の胸の奥で感じて、外からは決して見えない気持ちです。
いろははきっと、他人に噂されていたことなんかはきれいに忘れてしまっても、つっつんのことはいつまでも憶えています。
そういう恋を、したくありませんか?
不器用で、みっともなくて、なりふりかまわず突っ走ってでも、冷静な傍観者なんかにはわからない自分だけの気持ちをだいじにしたいとは思いませんか?
わたしはそう思うんです。
だからわたしはこの「スクールカーストのアウトロー」
いろはとつっつんの恋もめちゃめちゃ応援しちゃって、ポロポロ泣いちゃうんです。