YOU0824 さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
さよならセンチメンタル
十代の頃、井上陽水初期の曲に傾倒した。
当時を知る友人は
「あの頃のお前は暗かった」と遠慮なく言う。
そういう年頃だったんだろう。
ライヴアルバム『 もどり道』で陽水は
実際泣いている。
「初期」と限定したのは
その時期だけの特徴があったからだ。
陽水は大きく方向転換した。
いわゆる
「センチメンタルを美しいと思わなくなった」
そう言ってセンチメンタルと訣別した
便宜上男と女を大まかに区別するなら
男は「女々しく」女は「男らしい」。
男は本来「女々しい」から男らしくあれと言い
女は「男らしい」から女らしくあれと言われた。
乙女なのは男なのだ。
「おセンチ」つまり
過去や未来の妄想に心焦がすのは
男の専売特許だ。
だから男が思春期から脱却するためには
センチメンタルを経て
その湿っぽさを乾かす必要がある。
この時考えなしに跳躍すると
いやな大人になってしまう。
センチメンタルであった自分を
否定せず移行することが肝要だ。
陽水がセンチメンタルと訣別したのも
忌野清志郎がさだまさしや甲斐バンドを嫌ったのも
ヒロトとマーシーがブルーハーツの歌を歌わないのも
それを知っているからだと思う
過去や未来へのこだわりは
甘酸っぱい。そして毒がある。
薬物にそっくりだ。
美しく魅力的だが人生にとっては危険なのだ。
だから禅では「前後際断」、
茶道では「一期一会」と警告した
女性の作品に興味があるのは
センチメンタルをからりと
吹き飛ばしてくれる予感があるからだ。
男特有の「女らしさ」を超え、
女性の持つ繊細な眼差しを見たい
そう考えると
このアニメ(作者は女性)の出だしは
尻込みするものだった。
10年後の私から送られてきた手紙には
これから起こる出来事と
その時に選んでほしい道が書いてあった。
10年後の自分は後悔している。
そのことをかつての自分に告げている。
センチメンタルだ。
10年後の私が高校生の私に伝える言葉は
「今やりたいことをやりなさい」
だろう。結果ではない。
以前アニメ
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』
を途中で観るのを止めた。
過去にこだわっていて苦しかった。同じ空気を感じる。
養老孟司は
方向と方法だけ決める。
到着点は考えないと言った。賢明だ。
10年後の私が今の私に呪いをかけてる。
煩悩に心がザワザワする
人の死って他人が防げるの?
後悔なの?
母親より友達を優先して恨む母親って
いるんだろうか?
そしてそれを友達に話す息子ってどうなの?
悲しみを共有することって
大事なのだろうか?
人を救うなんて傲慢じゃないの?
みんなが翔を腫れ物に触るように
気を使ってるのが痛い。
美人の上田先輩って結局嫌なヤツで終わり?
水清ければ魚棲まずって言うが
みんないい人ばかりで赤面する。
特に菜穂と須和。それが少女漫画ってこと?