とまと子 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
リンちゃんの愛し方
すっごく綺麗な景色を見ることだけだったら、誰かと一緒にいたとしても、できます。
でも、リンちゃんはソロキャン派。
詰め込んで準備して、遠くまで持っていって設営して、水くんで料理して、食べたら洗って片付けて、寒かったり暑かったり、朝になったら片付けて、運んで積んで、寒風を切って遠い道を帰ってきたら、広げて、洗ったり、乾かしたり、ゴミ捨てて、片付けて、洗濯して・・・
そこまで面倒なことをひとりでしてまで楽しいことって、何なんだろう?…っていう疑問の答えはリンちゃん本人じゃなきゃわからないけど
でももしかしたら、それがリンちゃんの”この世界の愛し方”なのかな?って思います。
わたしもひとりが好きです。
わたしの「優しさ」は有限なモノのようで、たくさんの人の中だと気遣いですり減っちゃって肝心なときに品切れになっちゃうみたいです。
おんなじように、この世界が大好きで目の前に広がる景色が本当にキレイだなぁと感じても、右や左の隣にいる友達と「きれいだね!」「すごいね!」ってガールズトークで騒いで言葉にして出し尽くしてしまうと、自負の胸の中にホントに最初に感じた小さな声が、蛍光灯の下のろうそくの灯りみたいにか細く聴こえなくなってしまう…なんて…。
「そんなの"貧乏根性"だよ」
「みんなといるから余計にキレイに感じるんじゃん」
って言うのも、そうだよなぁ…とも思うんですけどね。
リンちゃんの場合わたしみたいにココロが貧しいのとは違うのでしょうけど、わたしがこのアニメを見て「ソロキャンって楽しそう…」って思ってしまうのは、そんな気持ちからかもしれません。
リンちゃんの周りの人たち、すっごく良いです♡
なでしこって、ただうるさくてドシドシ踏み込んでくるキャラ…みたいに見えて、実は相手から一歩踏み出してくれるのを忠犬ちくわのようにずっとちゃんと待っていられる人ですよね。
他の斉藤さんや野クルのメンバーも遠くもなく近くもない微妙な感じでリンちゃんに接している。
でもしっかりリンちゃんのことを好きで認めてる。
リンちゃんがもしリアルにクラスとかにいたら、「付き合いづらいヤツ」って思われる存在になっちゃてるかもしれない。
でもこのゆるキャン△の中では全然そんなことない。
みんな、そばにいる人との近づき方を、それぞれの「優しさ」を使い切っちゃわない程度に思いやって付き合っている。
EDでのなでしこみたいに、正面から向き合ったりくっついたりせずに、同じ方向を見ながらちょっと離れた隣の椅子にいる。
そういうみんなからの「リンちゃんの愛し方」も、とっても素敵だなぁと思ってほっこりする、そんなアニメでした♡