とまと子 さんの感想・評価

4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

わたしは魔法にかけられた

もり子さんはそれまでのOL生活を
小さな花束をもらって卒業します

卒業といっても自分で決めたこと
誠実すぎて 報われなさすぎて
魔法がとけたシンデレラのように
会社というお城のの階段を降りるのです

終わってしまえばあっけなくて
頑張った日々もなかったことのよう
ガラスの靴を忘れたりもせず
呼び戻しに来る王子様もいません

そこで彼女は自分自身に
ちょっと寂しいご褒美をあげます
自主的ニートとなってのネトゲ生活
時間を忘れてのクエストの日々です

そこで小さな出会いがあります
こころ優しい魔法使いのリリィさん
初心者のもり子さんを手助けしてくれて
もり子さんは魔法にかけられます…



もり子さんがりりぃさんと出会って遊びはじめて
なんでもないひとことで画面のこっちで身悶えてみたり
「楽しかったよ～～(≧∀≦)！」って頬を染めてみたり
…そういうことって、経験ありますｗ　 (*^^*:)

リアルの恋愛とは違う気持ちではあるにしても
ネット越しでも「この人好きだなぁ…」って思ったりもするし
手探りで進むもり子さんがなんだかとってもいじらしくて
わたしも 彼女と一緒に魔法にかけられます

時間がとっても早く過ぎたり 逆に止まってみたり
沈黙の時間で不安になったり 堪え性がなくなったり
ネットの世界ではリアルとは違う法則が働くみたいです

やっぱりネットは異世界…闇の魔法も働いていたり
そのままだともり子さんは深い森の奥で迷子になっていたかも…
ウソで傷つくリスクだって そこらじゅうに転がっている世界です

だけどそこはアニメの物語、 “あり得ない偶然”がたくさん起きて
そこからもり子さんにとっての 本当の魔法が始まります
“仮想のひと”に感じた恋が リアルの世界に繋がっていきます…



わたしがネットで話す相手も
今話しているわたし自身も
顔もすがたもわかりません

でもわたしたちの「言葉」という魔法具は
隠された仮面の向こう側にある
ほんとうのその人を教えてくれます
それはある意味 もっとドキドキする 冒険です

“仮想のひと”なんて ほんとはいないのです
魔法の向こう側にはいつも「誰か」がいます

とけることのない本物の魔法をかけてくれるのは
杖も持たない 魔導書もない 魔法使いでもなんでもない
わたしと同じあたたかい熱を持った　生きている人間の「誰か」なのです