「ケンコー全裸系水泳部 ウミショー(TVアニメ動画)」

総合得点
60.7
感想・評価
212
棚に入れた
1185
ランキング
5742
★★★★☆ 3.4 (212)
物語
3.3
作画
3.3
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

レトスぺマン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

放送当時は好きではなかったのだが…

実をいうと放送当時、私はこのアニメの視聴を離脱している。
理由は水泳部の部員達がわちゃわちゃしているだけのように感じ、くだらない下ネタの連続に辟易したことが一番の要因であったが、そこから【こういった作品になんの意味があるんだ?】という心境になってしまい、視聴を辞めてしまったのである。
またキャラクターのデザインも2007年の絵柄にしては古く、当時はそういった表面的な部分にも好きになれなかった。
しかし、それから17年経った現在視聴すると、言葉にするのは難しいが本作に対する良さがだいぶわかってきた。

まず本作のキャラクター面から言えば、各キャラクターの「部活を目いっぱい楽しむぞ」的な生き生きとした性格というところがキーポイントなのだと思う。
本作は、上述の通り神奈川県にある高校水泳部のどんちゃん騒ぎや、沖縄からやってきた「あむろ」と部員との交流を描く至極単純なストーリーであるが、その中でも部活内での楽しいトラブルや、主人公である要が癖の強い水泳部の部長+他部員に対してまともなツッコミしていくところがハイライトの一つではある。
ただ、それをより楽しいコメディにするための施策なのかどうかはわからないが、キャラクターに対する深堀がいい意味一切ないことが挙げられる。
どのキャラクターも「部活を全力で楽しむ」ことに捧げていて、かつ真剣にというよりはある程度の「ユルさ」があることで視聴者を楽しませてくれるような部分があったわけだ。

それに加えてもう一つ思ったのは、本作の時系列は放送当時と同じく2000年代の中後期が舞台とのことだが、正直この時系列を80年代くらいに設定しても、違和感がないような気がするのである。
例えば、あむろが沖縄から神奈川に移動する手段が「イカダ」であったり、部活内で発生する楽しいトラブルも、その時代特有というよりは、どんな時代で視聴しても通じるようなコメディで占められていてある種の普遍性を感じたところでもある。

そして、作中で随所に現れる「下ネタ」も放送当時は辟易したのだが、直接的なものは一切なく、デフォルメがされていることによりコメディとして成り立つメリットがある。

つまり、本作の最大の良さとはもしかしたら生身の人間と人間とで成り立つコミュニケーションというアナログ的な面白さを極限にまでコメディとして描いていることにあるのではないか?と思えたわけだ。

例えば、今よりも娯楽が少ない80年代なんかは海水浴全盛期の時代であったそうだが、そういった時代の娯楽に全力投球する人たちの写真をみると、楽しそうな雰囲気のほか、その時どういうコミュニケーションが行われていたか、といったイメージが伝わってくることが多く、本作から感じ取れる物語はそういうものに結構近い気がするのである。

そういった意味としてとらえると、放送当時辟易とした部分もいいものとして受け取れる良さがある。
また、本作のようなコメディ的作品は大人よりも子供がハマれるものが多いのだが、本作はその逆。
つまり、大人になればなるほど味が染み出てくるようなものなのかもしれない。

コメディ的作品でこのような形態を持つものは珍しいと思うし、一旦評価は「良い」として出すが、時間をおいて何回か繰り返し視聴していくことで、わかってくる部分がどんどん出てくる印象だ。
放送当時離脱したことを猛省するばかりだが、改めて大変興味深いところがたくさんあるアニメだと思えた。

投稿 : 2024/09/09
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