タック二階堂 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
媚びない山田尚子、ここに在り。
詳細は公式サイトでも観てください。
元京アニで「けいおん!」「たまこラブストーリー」「聲の形」などを手掛けた山田尚子さん監督作品。プロデューサーには「君の名は。」「天気の子」といった新海誠監督作品をプロデュースした川村元気氏(STORY inc.)。制作は山田尚子監督とタッグを組んだ「平家物語」の制作を担当したサイエンスSARUです。
まだ公開中なので、ネタバレは控えますが、とにかく「オタクに媚びない」山田尚子監督といった感じ。
映画全編を通して、とにかく善良なキャラしか出ない。
それは、主役の一角・孤高の黒髪美少女きみのキャラでも分かりますね。ふつうのアニメでは、こういうキャラはツンデレに描かれがちなのですが、けっこう真っ直ぐ。このへんは「けいおん!」の澪を彷彿させますね。
主人公のトツ子。これも「けいおん!」でも感じるところですが、スタイル抜群の絶対的美少女ではない。むしろ、足の太いプチデブって感じ。オタのおもちゃにさせねえぞ、萌えさせねえぞ、という強い意志を感じます。
それでいて、圧巻の美しい風景作画。そしてさすがの演奏シーンの動画。
なんてことのない話を、美しくも感傷的に仕上げる能力は、さすがとしか言えないですね。
わかりやすい話ではないです。
でも、なんか心に余韻を残す、そんな不思議な作品です。
あ、そうそう。アニメYouTuberの笠希々さんが動画でおっしゃっていた「この作品では人が呼べないんです。せめてミスチルくらい起用しないと。お願いしますって川村元気さんが土下座したレベル」と言うのが言い得て妙です。それぐらいEDのミスチルは作品に合っていなかった。せめてサカナクションなら話は分かったんですけどね。
というわけで、まあ川村元気氏は同時並行で「ふれる。」もやってますんでね。あっちは「あの花」スタッフ、脚本・岡田マリーですし、大衆迎合タイプの作品になると思うんで、いいでしょうw