タイラーオースティン さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
上手く料理出来なかった感
大島弓子を原作とし、音楽でリチャード・クレイダーマンや谷山浩子、来生えつこが参加と、素材自体はとっても良かったのに、いかんせん料理する人達に少女マンガの血が全く理解できてなかったらしい感が伝わってくるのが残念でした。チビ猫の作画を頑張ってるのは評価に値するんですが(元々原稿ごとに表情から何からころころ変わるキャラなだけに)、ガチガチに保守的なアニメの文体、べったりとした普通の背景、チビ猫以外の作画は平板、ポイントとなる音楽以外の音楽は平凡と、大切にしなくちゃいけない部分があんまり見えていないんじゃない?って印象が強くて、「綿の国星」の持つ魅力のカケラくらいしか表現できていない事に見ていてイライラしました。初めに物語ありき、設定ありきな理詰めで創り上げて伝わるモノじゃないと思うんですよね。いかに大島弓子の世界を映像と音で表現するか、そこに尽きる訳で、それには今となっては当時の技術なりスタッフの意識なりではまだ早すぎた感があります。アニメの文体も技術も飛躍的に多様化した今ならば、もう少し『大島弓子』を表現できると思うのですが。