テナ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
音色
簡単に言えば、バンドを組む事でそれぞれが抱えていた悩みや抱いていた気持ちを打ち明け歩みだせるって話ですね。
みきは周りや家族から受ける「良い子の期待」に悩んでいて、ルイは母親からの「医者をついてくれる期待」に悩んでいました。
そんな彼女、彼らの青春バンド物語です。
結論から言うと個人的には微妙です。
色々と弱いです。
キャラの悩みなんですが感情移入も出来る部分はありますが彫り込みが浅すぎて感情が入りずらい……
例えば、ルイで言うなら兄弟が居て兄が島の病院を継がないから自分しか継がない、唯一の医者の母からもルイが継いでくれると安心仕切っている。
本当はルイは医者じゃなく音楽に携わりたいけど、お母さんには言えない。
彼の言葉から医者には本当はなりたくないけど、島の唯一の病院だしお母さんが引退した後の島の事や、1人で医者をしているお母さんの苦労を知ってるから自分も医者になってサポートしたいとも感じてるのかな?と思いました。
コレに関して、お母さんは確かに期待しているけど、別に強制は全然してないんだけど、言い出せない事に悩んでいるルイ。
きみは、先生や家族の「良い子」のプレッシャーから逃げ出し学校を唯一の家族のおばあちゃんに言い出せませんでした。
学校って親の許可なく辞めれるの知らなかったw
これもね。期待ってプレッシャーになる事もあると思うんです。
期待って成果を出すから周りは期待してくれる。
それは良い事だけど、成果を出したから次に期待、するのではなく、成果を出したから今を喜んであげるべきなのかな?って思いました。
成果を出すって本人が頑張っているからです。
誰しも、勉強しないで良い成績は取れないし、運動しないでスポーツ万能にはなりません。
成果を出す人達には成果以上に努力で積み上げている事を褒めてあげる事も大切かも知れませんね。
きみの様な子は真面目だから期待がプレッシャーに変わってしまうんじゃないかな?
今が必死だから期待に答えられない事や更に高いハードルを目の前に置かれるプレッシャーが怖かったのかな?って……
だから、良い子だと信じてくれてるおばあちゃんに言い出せないで悩んでいます。
こんな感じで2人の悩み自体には共感出来るものの……
2人とも悩みの共通点は「家族に話せない」という事で悩んでいます……
中身は違うけど、悩みが一緒に感じてしまう……ここは変えて欲しかった……
で、同じタイミングでルイもきみも「話し」ますが母もおばあちゃんも無言を貫いて終わり……
え?もっと、お母さんやおばあちゃんの考えや言葉を期待していたのに無言?
後から、彼女達のライブを聞きに来た、おばあちゃんやお母さんがノリノリで踊るシーンがあり、このシーンがあるから、結果は解るだろ?視聴者よと言われてる気がした。
もっと、キャラの悩み寄り添った内容にして欲しかった。
感情移入しきれずキャラの心の作り込みが弱すぎました。
後は、きみはルイを意識しているシーンがあるのに恋愛には一切触れずに終了ww
きみにルイを意識させる必要あるかな?
最後のルイとの別れのシーンで、走り出す、きみとトッ子のシーンでルイ目線からシーンがありましたが、しばらく、きみだけを見ているシーンがあり、視聴者よ、コレでルイも意識しているのが解るだろ?と言われてる気がしました。
途中、トッ子もきみの恋心に気づくも特に何も起こさないし確認もしない……
恋愛要素が弱すぎます……必要あるのか?
青春なんだから恋も入れておけ感が凄い。
後は、バンドのバレンタイン祭の話しなんだけど……ライブ中の に全然動きがない……
これはもっと動かそうよ……これは動きが無さすぎます。
私が単にガルバやバンドリの見すぎでしょうか?
演出力が弱すぎる……リアルにしたかったのかもしれないけど、派手じゃなくても少しの動きを入れて欲しかったです。
後はトッ子の色を感じる力なんですが、必要だったのかな?
トッ子の色を感じる力って別作品の「CANAAN」の主人公カナンが持っていた感情などを色で見える「共感覚」イメージでしょうか?
この色を感じる力で何かを起こすのか、ルイやきみを助けるのかとか、何かあるのかと思いましたが、この色を感じる設定を生かしきれない気がしました。
一応、3人が自分の抱えた事を話すシーンには彼女が2人の色を打ち明けて背中を支える?応援するシーンがありますが、それだけ……
トッ子の自分の色が知りたい気持ちがありましたが色は見つけられないままな気がします。
良かった点は、最初の主人公のトッ子が人間の色の認識をするシーンはカラフルで制作サイドの本気が見えた気がしました、トッ子の部屋もカラフルで色をテーマにしているからこその演出でした。
日吉子先生(シスター)がめちゃくちゃいい人でした。
例えば、学校を辞めた事を言い出せずにいる、きみは毎日学校に行くフリをしていて、修学旅行の時期になり行き場がなくなり、トッ子が体調不良(嘘)で修学旅行を仮病で休む、きみを学校の寮で匿うのですがバレて、トッ子だけに罰が課せられます。
理由は、きみは退学しているから部外者で罰を与えられないからです。
しかし、日吉子先生は「きみにも罰を与えましょう」と学園長?に訴えます。
これは、きみが責任を背負い込まない為の処置です。
もしも、自分が、きみの立場になり友達だけが自分を庇って罰を受けたら、きみはトッ子への申し訳なさを1人で背負う事になります。
自分のせいでと自分を責めてしまう。
真面目な彼女だから責任感で彼女が潰れてしまわない様にする処置だったのだと思います。
そうならないように、片方だけに罰を与えるのではなく、2人に与えるように提案したのかも?しれませんね。
あとは、島にバンドの練習に行き、雪で船が欠航して帰れなくなる話でも、学園で問題にならないように合宿をしていたと言うことにしようとトッ子を庇ってくれました。
欠航なら仕方ないですが、多分厳しい学校なんでしょうね。
だから、トッ子に処分が下らない様に助けてくれた。
先生もかなり動揺してたから、心配半分の焦り半分に見えましたね。
実は昔、先生もバンドをしていたらしく、トッ子達によくしてくれたのは、もしかしたら彼女も過去に色々騒ぎがあって、当時の自分にトッ子達を重ねたのかも?しれません。
今作で、先生が1番共感しやすかったかな?
私も実は子供の頃に大人の理不尽とか振り回されたり、一方的に怒られたりした事があって、私には私の譲れない言い分も理由があって、それでも子供だからって何も聞いてもらえなくて、一方的お説教だけ受け入れろ反省しろなんて言われても納得なんて出来なくて、私は子供の話しを聞ける大人になろう!と思ったのを今でも覚えています。
だから、自分の経験から子供の味方になってあげられてる先生を見て居たらカッコイイし凄いなぁ〜と尊敬してしまいますね。
後は、水金地火木土天アーメンの曲のフレーズが頭に残る中毒性があります。
最初の歌詞を作ろうの話しあたりで「水金地火木土天アーメン」を聞いてネタ曲じゃん……微妙だと思いましたがライブで聞いたらしっかりした歌詞がつけられてリズムもよく「水金地火木土天アーメン」が曲の良さを上手く引き出していてリズムに乗りたくなりました。
これは正直凄い曲かと思います。
さて、実は最初は私は退屈してました。
あまり期待出来なそうな気がしてましたが、途中のバンド結成あたりからは少し面白くはなり退屈はしませんが、やっぱり微妙ですね。
悪い意味ではなくて、もっと深堀したり不要な場面をしっかり見極めて映像化すれば更に良くなるので、惜しいと言う感じの微妙ですww
決して、悪い意味ではないのですが人を選ぶ作品かな?とはおもいました。
この作品では個人の色をテーマにしてます。
例えば、ルイは緑、きみは青です。
トッ子は自分の色が見えないので不明ですが、この色にどんな意味があるのかは解りません。
ただ、私はどんな色なんだろ?何色なんだろ?と考えた時に、 ルイが船から振ったカラーテープが空を舞うシーンがあり、それを見た時に、人は何色にもなれるんだよ。
どんな色にも良さがあって、どんな色にも意味がある。
どの色だって綺麗で輝いていて不要な色なんてないんだよ?って言われた気がしましたね。
レビュータイトルは作中の「色」とライブの「音」から「音色」にしてみました。