二足歩行したくない さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
おでけけ!おでけけ!
『SPY×FAMILY』 2期。
東国と西国の間に下りたカーテンによって隔てられたことによる仮初の和平。
裏で飛び交う熾烈な情報戦、その渦中の西国のスパイ"黄昏"「ロイド」と、暗殺組織の凄腕の殺し屋"いばら姫"「ヨル」。
互いが互いの正体を知らぬまま"利害が一致したため"家族となった二人と、組織の実験によって生み出された超能力少女“被検体007”「アーニャ」。
そして、プロジェクトによって生み出された未来予知のできる実験動物「ボンド」。
東西平和を脅かすドノバン・デズモンドに接触するためロイドは、その息子の通う名門イーデン校に入学させるためにアーニャを送り込んだ。
アーニャは、優秀者に送られるステラを8つ集め、デズモンド家に招待されることを目指す。
というのが、第1期シーズン1の内容でしたが、シーズン2以降はすっかり日常系アニメに落ち着きます。
本クールではステラもトニトも1つも動かず、目的であるデズモンド卿は登場すらもしません。
序盤のテンポの良さはなくなり、ストーリーは完全に停滞ですね。
中盤から終盤にかけてはスパイアクションっぽい展開があるものの、基本的にはギャグで、1話に2話分のストーリーを入れてくることも多いです。
アーニャがインペリアル・スカラーになったとしても、それで即オペレーション〈梟〉のミッション終了となるわけでもないです。
なので、個人的にはステラ集めは1クールで終わらせてほしかったところですが、もはやアニメでも本編でもストーリーを進めることは諦めているに近いですね。
ステラ集め?東西の情勢?そういえばそういうのあったねレベルで、驚愕の身体能力と秘密を持つ二人と、それを知ってるアーニャとボンドの日々を描いた作品です。
2期の本作も新キャラも登場せず、当たり障りのない内容となっています。
ただ、ワンクールの半分は連続したストーリーです。
いつもとは違い、護衛の任務を請け負ったヨルは、市役所の業務を装って豪華クルーズ船に乗り込む。
一方で、ロイドとアーニャも、商店のふくびきでクルーズ船の旅を引き当てる。
偶然、同じ船に乗り込むこととなったファミリーだったが、ヨルの元に次々と強敵が現れて、という展開で、本筋とは無関係といえば無関係ですが、設定を活かした楽しいストーリーでした。
設定はエグく、ヨルは職業柄、死体を積み上げるシーンもあるのですが、直接の描写もなく子供向けの側面もあると思います。
ただ、デズモンド卿が何を画策しているのか、その片鱗でも伺うことができないままでおり、何かしら行動に移していれば既に手遅れになっている可能性もあるのではと思ってならないです。
スパイモノなのに進行が遅く、こんな悠長で大丈夫なほど、東西の情勢は意外に安穏としているということなのだろうか。