「少女革命ウテナ(TVアニメ動画)」

総合得点
74.4
感想・評価
519
棚に入れた
2637
ランキング
902
★★★★☆ 4.0 (519)
物語
4.0
作画
3.8
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.0

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ネタバレ

YOU0824 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ウテナに恋する

あまり指摘されないが「台」と書いて
「うてな」と読む。

「潔くカッコ良く生きて行こう」

いわゆる少女漫画然としたヒロインに
恋したのは初めてだ。
今期注目の『トモちゃんは女の子!』を
見ているとウテナを彷彿する。
そういえば『ハルヒ』のOP、振り返るシーンは
本作のOPと同じだ。
『4人はそれぞれ嘘をつく』の刺さったUFOも。
知らない所でいろんなオマージュがあるのかも。

「これ以上話をしても、あなたから何も見えない
昔の話にすがる大人には、言い訳が似合う」

「革命少女」ではなく「少女革命」なのだった。

第6話「 七実様御用心!」の突然の「はずし」に驚くが、
第31話、兄・冬芽に「(シャワーに)一緒に入るかい?」と
言われた七実の、「冗談だ」までの「間」も絶妙だった。
牛に卵、七実の逸話はほんと凄い(中二病か!)。
まさに三宅香帆の言う
「闘争、政略、陰謀、その間に挟まれるのほほん日常エピソード」
ってやつ。

①有栖川樹璃と高槻枝織
②薫幹と双子の妹・梢
の関係性にあっと息を飲む。
七実の取り巻き・茎子までスポットを当てる懐の深さ。

第10話で西園寺が去り際、託した交換日記を冬芽が
あっさり焼却炉で燃やす。
この辺から「む!」っと身構えるようになった。

第33話、助手席のウテナが急に大人びて見える。
その時「あ!」と気付いた。
浴衣のシーンがあったのだ。
もう少女ではないということ。
冬芽と西園寺が女性の表情に変わる第35話にも
思いを巡らす。

同性愛、ブラコン、シスコン、ヤンデレ、ヒモ、ショタ、
好色、嫉妬、欺瞞、怨念、憎悪、裏切り、退廃、憧憬、幻想、
傲慢、尊大、野心…
すべてが詰まっている。

 いつのまにか愛を使うことを知り
 知らず知らず恋と遊ぶ人になる
 だけど春の短さを誰も知らない
 君の笑顔は悲しいくらい大人になった
 (「いつのまにか少女は」井上陽水)

少女が女性になるという幻想…
センチメンタルは甘酸っぱいが、危険でもある。
それが女性を縛っていたりする。
既成概念や負の遺産を断ち切る勇気。
映画『チェンジリング』のようなラストがいい。
『まどマギ』『君の名は。』への繋がりを思う。

投稿 : 2024/08/27
閲覧 : 17
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