青龍 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
私の青春の1ページを鋭く抉ってくる作品
『くノ一ツバキの胸の内』、『それでも歩は寄せてくる』などの山本崇一朗による原作漫画は、『ゲッサン』(小学館)での連載が終了(全20巻、原作未読)。
アニメ1期は、全12話(2018年)。監督は、『戦闘員、派遣します!』、『僕の心のヤバイやつ』などの赤城博昭。制作は、『ドラえもん』、『治癒魔法の間違った使い方』などのシンエイ動画(※3期+劇場版まで視聴済)。
(2024.8.25投稿)
実は、かなり前に第1話だけ観て、あまりにも主人公の西片が自分の過去とオーバーラップしてくるので、途中で気恥ずかしくなって観るのを止めた、という自分にとっていわくのある作品(笑)
今回は、同じ監督と制作会社の『僕の心のヤバイやつ』が好きなこともあり、今さらながら覚悟を決めて視聴を開始。
なんか相手が気になる。でも、それが相手に対する好意なのかもまだはっきりとは自覚していない。だから、それをどうやって相手に伝えるべきかもわからない。だけど、その結果として、相手にかまって欲しいからと、どうして悪戯してやろうと思うのか(笑)
本作では、そんな異性を意識し始め、思春期に入りかけたばかりの中学1年生の西片(CV.梶裕貴)が主人公(※舞台は漫画原作者の出身地である小豆島)。
本作が私の過去と比べて大きく違う点は、悪戯の相手である「高木さん」(CV.高橋李依)が西片より一枚も二枚も上手(うわて)だったというところ(→「からかい上手の高木さん」)。
というわけで、西片は、同じクラスで席が隣の高木さんに悪戯を仕掛けては、終始、圧倒的に精神年齢が上な高木さんの掌の上で踊らされることになります。
基本的に、このパターンがずっと続いていくことに。ただ、本当にちょっとずつですが、話数が進むごとに二人の関係性も進んでいきます。
最初は高木さんをどうやって出し抜いてやろうかとばかり考えていた西片なのですが、そのうち高木さんがどうしたら喜んでくれるだろうかとか、今、高木さんはどうしているだろうかとか、困っていないだろうかといった気遣いを見せるようになっていきます。
高木さんに悪戯ばかり仕掛ける西片なのですが、根はすごく優しい。
二人の中学の入学式でのとある事件をきっかけとして、その西片の優しさを一瞬で見抜いた高木さんがやはり何枚も上手であったというべきなのでしょうか(笑)
クラスメイト含めて傍目から見ると、『葬送のフリーレン』のザインじゃないですが「もう付き合っちゃえよ!」という状態が続く二人。
その主な原因(メタ的には話がすぐ終わるから(笑))は、高木さんのわかりやすいアピールに、いつまでも気づかない西片。でも、たまに西片が高木さんに不意にカウンターしてきて高木さんが一瞬デレるんですよね。それがまたいい(※この辺は2期以降の感想が混じってます。ただ、二人の恋愛がより進んでいく後半になればなるほど、物語も面白くなっていきます。)。
本作は、私の青春の1ページを鋭く抉ってくる作品なのですが(でも、高木さんはいなかった(笑))、二人の不器用ながらもお互いを気遣う様子にほっこりしながら、今回は、無事に劇場版まで完走できました。
【音楽】
オープニングは、『無職転生』でお馴染みの大原ゆい子による「言わないけどね。」
エンディングは、高木さん(高橋李依)が『気まぐれロマンティック』(いきものがかり)、『小さな恋の歌』(MONGOL800)などのJ-POPの楽曲をカバー
ちょっと昔のJ-POPが作風にも合っていていい感じ。