蒼い✨️ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
昔のジャンプ漫画っぽい話に、なろう要素。
【概要】
アニメーション制作:ゆめ太カンパニー
2024年7月2日 - 9月24日に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、「小説家になろう」に連載していた現在は削除済みで、
現在は「カクヨム」にも掲載されているweb小説が、
HJノベルス(ホビージャパン)で書籍化されている、
岸馬きらくのライトノベルであり、原作イラストはTeaが担当。
webサイト『コミックファイア』にて、漫画家・荻野ケンによるコミカライズ版が連載中。
監督は、片貝慎。
【あらすじ】
冒険者になるには、魔力の伸びしろのある若いうちでなければならなくて、
後で鍛えても殆ど伸びないのが常識の世界。
30歳になってギルド職員を辞めて、少年の頃の夢である冒険者を再び目指した、
リック・グラディアートルは、二年後に冒険者Eランク昇級試験を受験しに来た。
この男。大陸最強の伝説のS級パーティーの「オリハルコン・フィスト」
のメンバーに人間の限界を遥かに超えた地獄のトレーニングによって、
S級相当の実力を持っているのだが、師匠たちが強すぎるので全くの無自覚。
その圧倒的な実力で、天狗になったエリートや天才、そして悪党に立ち向かい、
普通の冒険者ならば、絶望の淵の状況を打破していくのだった。
【感想】
これの漫画担当の荻野ケン氏は、かつては週刊少年ジャンプで、
「レディ・ジャスティス」を、たった2巻で打ち切られた経緯があり、
夢を諦めきれないアラサーの物語は精神的に親和性があったのかもしれません。
また、原作者の岸馬きらく氏の別作品の漫画版では、
かつて「スクライド」を手掛けた戸田泰成氏が執筆しており、
43歳になり旧世代のロートル呼ばわりされてる英雄アランが、
かつて滅んだはずの魔族が復活して人類を脅かしているので、
25年ぶりにかつての七人の英雄が人類の守護者として立ち上がる内容で。
魂を込めた拳の強さの物語を、原作者は好んで書いてあるのかもしれません。
(一応は学生の恋愛ものも別に執筆はしていますが!)
ゴリゴリの精神主義と血が滲むような努力で、いつかは夢が叶う。
今の感覚では古臭さすらある、王道の精神を受け入れるか拒絶するかで、
大体の評価が決まるものだと思います。
これは、夢を諦めきれないオッサンが地獄のスパルタ修行の二年間で、
強すぎる人達に鍛えられていて人間をやめてる強さになっていて活躍する話。
格闘漫画のスピリッツを剣と魔法の世界に持ち込んだ感じ、
真っ直ぐな青臭さを貫いて説教かましたり悪いやつを拳でわからせたりが基本。
超強いのに当初は無自覚すぎて卑屈に見える主人公リックじゃなくて、
パンツ見せながら戦う金髪ツインテールお嬢様剣士のアンジェリカで、
作品の固定ファンがついたっぽくて、
非常識な面々へのツッコミ常識人役兼努力で強くなるキャラポジで、
小説よりアンジェリカの出番が大増量の漫画版がベースで、
女性キャラのサービスカットが多い漫画ではありますが、
「レディ・ジャスティス」でもそうでしたが、荻野ケン氏の作画が特徴的すぎて、
骨格がおかしくね?と突っ込まれることもしばしば。
テレ東なので、パンツを『見せられないよ!』なわけでして、
アニメでは漫画の初期の売りだったはずの、
スカートの中身が徹底的にガードされてるの笑いました。
そのかわり女性キャラの胸が揺れまくるのをお楽しみくださいってことでしょうか。
主人公のオッサンのリックが冒険者Eランク昇級試験のあたりの序盤展開は、
なろうのお約束とオッサンのひもじい夢のハイブリッドみたいでアレですが、
強さを自覚しての拳王トーナメントからは見れる内容になるでしょうか。
にしてもファイアCROSSで初期からずっと読んでる漫画(原作は小説)なので、
アニメも観てますがネットでは酷評が多いですね。
努力と根性と汗臭さが強調されている荻野ケン氏の作風のアニメ化が、
地味で押し付けがましく感じられるのか、面白く思われないなのも。
9話目で‘凡人’リックが努力しない驕れる天才ギースに圧勝する話を見ましたが、
この作品だと才能とは初期アドバンテージの差であって、
‘凡人’でも死ぬほど努力をすれば限界知らずの世界の法則は、
しっくりこないと言いますか、
才能の差って本当は努力で得られる能力が頭打ちになる天井の高さの違いで、
何千回死んでも身体が酷使でぼろぼろになっても魔法で治せる世界の価値観は、
努力賛美の話としても共感はしないなと思いました。
とは言えども、昭和の少年漫画の熱血テイストがくどいほど盛り込まれていますので、
そういうものだと割り切って観てしまえば、それほど悪いものではありませんね。
なろう異世界アニメの下流でありがちな、低品質なCGや作画と違って、
格闘シーンなどきちんと真面目に作画していますし、
視聴者の好みに大きう左右されるものではありますが、個人的には悪い印象が無い作品でした。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。