dossun さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
圧倒的悪役に引き込まれる劇薬のようなアニメ
24年8月視聴。
よかったところ
・前半の怒涛の展開と狂気的思想と演出
・曲世愛という絶対的悪の存在
・善と悪について考え続けさせられる物語
うーん
・ショッキングな描写があるため、耐性ない人はご遠慮ください
・性的な表現が苦手な方はご遠慮ください
・後半やや失速気味だったかも
おすすめ回
1疑惑
2標的
3革命
6作戦
7最悪
12終
読む劇薬といううたい文句に違わないインパクトのある作品だと思いました。
物語としては、評価5としました。
{netabare}1話目の展開の早さ、インパクトは強く、製薬会社の不正からの政治的な汚職の話かな?と思わせながら、不審な自殺とメッセージ、まさかの後輩検事の突然の自殺という引き込まれる展開力は次も見たいと思わせられました。
その後も、3話目における自殺法の提案と庁舎からの一斉自殺のパフォーマンスは、狂気的な展開でありつつも、常人には理解しがたい価値観をぶつけてくるあたりは、作品の世界観を一気にサイコパスな方へもっていってくれたと思います。
その後の、6,7話目の齋 開化の独壇場である、何故自殺法を展開したのかを語りかけるシーンやまさかの捜査班メンバーの壊滅、九字院や瀬黒事務官の死といった強烈な展開が多く、それを裏で操る曲世愛の存在も強かったです。
8話目以降は少しテンポ感は落ちますが、そこからじっくりと善とは、悪とはについて考える展開は、最終回に答えを導く上での重要な話なのではと思いました。
自殺を選ぶことの善悪、救いのない展開の数々、そして、本当の悪に迎え撃つための手段とは、そんなことを強く考えさせられ、非常に引き込まれた作品だと思います。
キャラ評価も5としました。
なんといっても外せない存在は、今作の最大のサイコパス要素である曲世愛の存在です。見る人によって姿が変わる能力、どんな男性をも虜にし、衝動を掻き立て惑わし、最終的には自死へと追い込む力は、圧倒的悪女としての地位を誇ると思います。
数々の登場人物が曲世によって亡くなりますが、瀬黒事務官を相手にしたあのトラウマシーンは正直アニメの中でも5本の指に入るシーンではと思いました。残虐的な行為を行いながらも、善に見てほしい、知ってほしいと訴えかけるあのシーンは脳内に刻まれます。
長くなりましたが、カリスマ性、サイコパス要素の高い悪役を相手に、正崎善が考え続ける善とは何か、悪とは何かをこの一連の事件を通して考え、そして心身共にぼろぼろとされ、最終的に報われないという展開はとにかく鬱を感じさせるアニメだと思います。人を大いに選ぶと思いますが、この狂った世界観、絶対的悪のキャラが非常に癖になるのでお勧めはしたいです。
欲張って言うのであれば、もう少し曲世愛の過去、背景をもっと掘ってもらい、彼女がどうしてそんな化け物になったのかを知りたかったです。{/netabare}