「ガールズバンドクライ(TVアニメ動画)」

総合得点
71.9
感想・評価
213
棚に入れた
448
ランキング
1234
★★★★☆ 3.8 (213)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.4
音楽
4.1
キャラ
3.8

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ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この手の作品は好きではなかったが・・・結構計算された脚本じゃないか?!

【レビューNo.138】(初回登録:2024/8/11)
オリジナルアニメ原作で2024年作品。全13話。
(5人組ガールズバンド「トゲナシトゲアリ」と連動するプロジェクト)
個人的にこの手の作品は好きではないので0話切りでしたが、交流ある
101匹足利尊氏さんのレビューに感化され視聴してみることに。

(ストーリー)
17歳の井芹仁菜は学校や親に反発して高校を中退。
上京して、大学進学を目指し予備校に通うことになる。
そんなある日、仁菜は自分に勇気を与えてくれた河原木桃香と出会う。
彼女はガールズバンド「ダイヤモンドダスト」で活動していたが今は脱退、
ストリートミュージシャンとして活動していた。
桃香は音楽をやめて故郷に帰るつもりでいたが、仁菜と出会い再びバンド
を始めることになる。
2人の元には個性的な女子が集まり5人組のバンド「トゲナシトゲアリ」を
結成、メジャーデビューを目指して走り出す。

(評 価)
個人的にこの手の作品はあまり好きじゃないんですよね。
・女子のギスギスした揉め事が好みじゃない
・ガールズバンドの楽曲が好みじゃない
・3DCG作品が好みじゃない
ってことでずっと敬遠していたのですよね。
(『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』も話題になっていたので、お気に入り
 登録までしたが未だ腰を上げれず放置w)

・女子のギスギスした揉め事が好みじゃない
 率直なところ主人公仁菜は”女子”というより
 「稚拙な正論を振りかざす”おこちゃま”」
 って感じなんですよね。
 そういう意味では、あまり嫌悪感なく楽しめたかなっと。
 仁菜は
 ・常に鬱屈した感情を抱えている
 ・ひん曲がって、拗らせまくっていて面倒くさい
 ・でも自分の心に正直で嘘がつけない
 ・会話術に引き出しがなく直球勝負のみ
 という感じで、自分の(独善的な)思いをドストレートに押し付けて
 くる結構ウザいキャラではあります。
 桃香は現実をいろいろ知っているので、毎度”折り合い”をつけるような
 選択をしがちですが、仁菜は折れることを知らないのでエンドレスに
 ぶつかり合いが続くという。
 ・仁菜にとって桃香は”ヒーロー的存在”なので、桃香には妥協して欲
  しくない
 ・仁菜の言葉には、(桃香が切り捨てた)青臭いながらも”正しさ”を
  含んでいるので、桃香も完全に拒絶することはできない
 2人のガチンコバトルは見応えがあります。

 でもこの本作の面白さは「熱いぶつかり合い」だけにあるのではなく、
 総合的な組み立てによるところが大きいのかなっと。
 主題的な話だけでなく、細かい部分
 ・雑談的な会話や前フリ
 ・コメディや小ネタの挟み方
 こういうところも(手抜きせず遊び心もあり)ちゃんと面白く、
 ・主題だけをみせるではなく作品に奥行きを持たせている
 ・さりげなくキャラの積み重ねを生んでいる
 ・テンポ作り等主題への流れをスムーズにしている
 こういう下準備をして、主題を爆発させてるって感じなんですよね。
 結構計算されて脚本が描かれているのを感じますね。

 それと個人的にはルパさんがよかったですね。
 ・控えめで普段は調整役や癒し枠要員
 ・それでいてかなり肝が据わっている
 クセが強い面子がそろっている中では貴重な存在で、上手くバランスを
 取っていたように思います。

 ただダイダスとのくだりはあまり興味を引かれなかったかな。
 というか、この辺気を付けないと、同時期にやってた『ヨルクラ』の話
 とごっちゃになるんだよな(笑)


・ガールズバンドの楽曲が好みじゃない
 楽曲については「10~30代をターゲットにして『ボカロ音楽』を意識」
 したものにしたようです。
 なるほど、従来のロックをベースにしながらも高速BPMが印象的で耳に
 残るって感じですね。
 正直ガールズバンドアニメの楽曲の認識が変わりましたね。
 これはレベル高いなあっと。特にボーカルとキーボードが。
 (さすがガールズバンド「トゲナシトゲアリ」と連動したプロジェクト
  だなっと
  あと3P→5人体制で音の広がりを印象付ける演出も上手かったかなと)
 歌詞は青臭さもあり個人的にはあまり好みではなかったですが、これも
 作中の「世間への反抗心を音楽でぶちまける」というコンセプトにマッ
 チしてた点は評価できると思いますし。
 ただアニメ視聴者層にウケるのかといえば、ちょっと小難しさがありど
 うなのかなあという感じはしましたね。
 (万人受けするキャッチーさはちと薄いかなあっと)

 それにこんな恵まれた環境でデビューした『トゲナシトゲアリ』ですが、
 この7月に早くもメンバー2人(智とすばるの人)が体調不良のため活動
 休止と暗雲が立ち込めているんですよね。
 (声優と音楽の2兎を追ったり、プロジェクトを背負ったりと新人には
  結構過酷な環境なんだよなあ)


・3DCG作品が好みじゃない
 3DCG作品ってあまり観ないのでよく知らないのですが、技術も進歩して
 意外と違和感なく観れたかも。
 近年観た作品『カミエラビ』と比べると(予算が違うのか)かなりまと
 もだと感じましたね(笑)
 ただ細かな動きをみると
 ・手書きアニメのそれじゃなく
 ・かといって実写の動きとも違う
 やっぱ3DCGという不自然さを感じる部分はありますね。
 しかしライブシーンは「もう3DCGじゃないと!」いう圧巻の出来でした。
 今まで3DCG作品は敬遠していましたが、認識を改めた方がいいのかも。


ビジュアルとしても
・中指や小指を立てたり
・もらった照明器具を振り回して感情を吐き出したり
・居酒屋で喧嘩して飲み物をぶっかけ合ったり
とインパクトのあるシーンも多く、なかなか上手い演出だったかなっと。
視聴前はどうかと思いましたが、総じて楽しめましたね。
いうても花田十輝さんの脚本の力が大きかったように思いますが。
足利さんのレビューを拝読しなければ、まず視聴していなかったと思います
ので、足利さんには感謝ですね。
アザ━━━(*゚∀゚*)ゞ━━━ス!!


(追 記1)
2期については含みを持たせているようですが、個人的には反対ですかね。
{netabare}「最後に茨の道を選んだ、彼女たちの運命は如何に?!」
余韻を残したままだからいいのであって、そこを描いてしまうとなあ・・・{/netabare}
とはいえ、実際2期が始まると手のひらを返すかもですがw
それにこんなプロジェクト立ち上げて売れるとなれば、そりゃ乗っかって
くるでしょうね。
しかし上述の通り「メンバー活動休止」があるので、これが長引けばネッ
クになりそうですね。

(追 記2)
>ただアニメ視聴者層にウケるのかといえば、ちょっと小難しさがありど
>うなのかなあという感じはしましたね。
なるほど、音楽性を高めるとこういうことになるのか。
それは盲点だったわ~。
>ガールズバンドの楽曲が好みじゃない
そういう意味では、ガールズバンドアニメの楽曲は上手い落としどころを
見出だしていたのかも。
これは新たな発見でしたね。

投稿 : 2024/08/12
閲覧 : 427
サンキュー:

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