とまと子 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
女の子たち
深夜アニメを観始めてわりとすぐに一度観て、とても好きなアニメだったんですけど、今回ちょっとしたきっかけで1期2期通して改めて観なおしました。
一度目は爽子と風早くんのラブストーリーとして観たんですけど、今回思ったのはこれはふたりの物語というよりも、登場人物みんな…特に女の子たちの想いや迷いを描いた群像劇だったんだなぁ…というところで、ちょっと見方が変わりました。
千鶴の恋のエピソードには前観たときにも泣かされましたけど、今回はメインストーリーよりももっともっと沁みてしまって、ポロポロポロポロ泣いちゃいました。
それは千鶴自身にもですけれど、それに関わるあやねや、ここでは友人ポジションとしての爽子の、千鶴に対する気持ちや言葉にすごく感じ入っちゃって、「ああそうか、これはこういう”ひとつの場所と時間の物語”なんだ」…と。
くるみについても、やっぱり”悪役令嬢ポジション”ではあるけれど、自分と同じように真剣勝負で生きようとしている人だけを認める厳しさにはむしろ共感を強く感じて、もしわたしの高校時代にそばにこういう子がいたらめちゃめちゃ好きになってたかもしれない…なんて思ってしまいましたw
あり得ないようなピュアなヒロインとあり得ないような爽やか王子様とのお話としては、かなりファンタジーではありますし、男性全般のイケメン性能はあり得ないほど高いですがw、でも物語そのものはそういう普通にいる女の子たちの物語としてすごくリアルで血の通ったお話で、それこそがこの「君に届け」の魅力なんですよね。
原作者の椎名軽穂さんは、この原作漫画が大ヒットしたことについて「何でこんな地味な作品が」と不思議にも思われたとのことですが、そういう”地味な”物語だからこそ語れられる、普通の女の子たちの想いや気持ち心や言葉のやりとりがあって、それってちょっと、きっと”地味”だったからこそ純粋に誠実な心を持っていた爽子のありかたと通じるものがあるな…とも思うのです。