中島野球しようぜ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
南極へゆくまでの壮大なドラマ、良作だが人物描写に多々難あり、おすすめ度★★★★☆
私は行く、絶対に行って、無理だって言った全員にざまあみろって言ってやる。
脚本家の花田十輝の最高傑作とも名高い作品。物語の前半は南極へ行くまでの過程、後半は南極へ到着してからの物語が描かれる。
作画や劇伴に関しては余裕で及第点超え。雄大な白い世界、南極の風景を描いた作画や劇伴のドラマチックさが印象的で、見ていて引き込まれる。
100万円の落し物というトンデモ展開から始まる本作だが、その100万円から南極を目指すというまぁまぁ突拍子もなく現代系の作品にしてはリアリティに欠ける始まり方だが、物語への引き込み方は上手く、女子高生4人組が南極へ行きたい理由、一人一人のドラマが鮮明に描かれるため面白い。終盤の報瀬の母のメッセージは分かっていても涙無しには見られない。
作劇上の不満はあたり無いが、ご都合主義満載でガバな所もあるのは花田脚本の悪癖であるので、あまり突っ込みすぎないようにはする。
ただしキャラの性格や行動には難があるので擁護できない。女子高生らしさと幼稚さを履き違えている描写が多々あるためか、面倒くさいと感じる場面が多かった。キマリの親友のめぐっちゃんは特に酷かったが、キマリ自体問題児そのものなのでノープロブレム。
後年のいしづか監督のドングリーズはキャラの不快感やご都合主義が減った代わりにドラマのボリュームがごっそり減ったので出来としてはどっちもどっちかなぁ。