「餓狼伝: The Way of the Lone Wolf(Webアニメ)」

総合得点
計測不能
感想・評価
5
棚に入れた
15
ランキング
7909
★★★★☆ 3.2 (5)
物語
3.0
作画
3.6
声優
3.1
音楽
3.1
キャラ
3.3

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

格闘ものの先駆け的な作品

 原作は途中まで既読。
 作品自体が発表ペースが遅かったこともあって、追っかけていたのはだいぶ前で、内容も結構
忘れていたりする。

 前述のように内容をだいぶ忘れていたため、始まってすぐに「あれ、主人公ってこんな
だったっけ?」と思ったが、しばらくしてから原作では脇役だった藤巻 十三が主人公に
なっていることに気づく。
 そのため原作の主人公である丹波 文七に関するエピソード、例えば梶原 年男との因縁などは
削られており、逆に逃亡中の藤巻のオリジナルエピソードが加えられていたり。
 試みとしては面白いと思ったりもするが、やはりスピンオフ感は拭えない。
 藤巻自体も原作では竹宮流と泉 冴子に執着する粘着質な印象だったが、本作では冴子も
かっては藤巻に思いがあったようで、更に作中の現在では姫川 勉が冴子とくっついていたりで、
ちょっとした寝取られ感もあって、かわいそうな人という印象。

 作品世界の大きな流れは原作と同じ。
 原作発表前の格闘家を主人公とした作品というと、善対悪といった感じで戦うことに理由が
あったり、同じ競技内での戦いというスポーツものの範疇だったりが大半で、異なる
バックボーンを持つ格闘家が強さを競うために戦うという展開は原作発表当時ではかなり斬新
だった記憶がある。
 それ以前に近しいのは「空手バカ一代」の大山 倍達の修行編辺りかな。
 改めて本作を視聴しても後の格闘ものに与えた影響はかなり大きかったなと思う。

 とは言え、今の感覚で観ると随所随所に古臭く感じさせる部分があったりする。
 作品に登場する北辰会館は極真会館、東洋プロレスは新日本プロレスがモデルだろうと
思われるが、原作発表当時は日本においては総合格闘技やK-1のような重量級の打撃格闘技の
興行などなく、フルコンタクト空手も今のように諸流派が乱立して、他の格闘技の技術を導入
する流派も存在するような時代ではなかったこともあって、本作も序盤は空手対プロレスの
異種格闘技戦のような世界観で、その辺を表現しているからどうしても古く感じる部分がある。
 加えて原作が遅々としているうちに現実の格闘技界にどんどん新しい要素が持ち込まれ、
そういった部分も後付け的に投入されているためにチグハグな感もある。
 割と地味目な世界観の中での地下格闘トーナメント「KODOKU」などはチグハグの典型
だろうが、エンタメ作品としてはこういった多少の荒唐無稽な部分があった方が楽しかったり
する。

 バトル描写も地味と言うか、淡々とした印象。
 リアル路線追求のためかもしれないが、多少は同じNetflix制作の「範馬刃牙」や
「ケンガンアシュラ」的な派手さはあっても良かったかも。
 この辺の地味さは演出や作画によるものが大きいかもだけど。

 過去に谷口 ジロー、板垣 恵介で漫画化されているが、キャラデザインに関してはその辺は
使わずにオリジナルなもの。
 このデザインも地味目な印象に拍車をかけているような。

2024/07/13

投稿 : 2024/07/13
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