蒼い✨️ さんの感想・評価
4.4
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
この世で最も映像が美しいアニメ映画のひとつ。
【概要】
アニメーション制作:京都アニメーション
2018年4月21日に公開された90分間の劇場版アニメ。
原作は、宝島社文庫から刊行されている武田綾乃による小説。
監督は、山田尚子。
【あらすじ】
傘木希美(フルート)と鎧塚みぞれ(オーボエ)は、北宇治高校吹奏楽部の所属。
彼女たちの出会いは中学時代。みぞれが誰とも友だちになれずにひとりぼっちだったのを、
希美が声をかけて吹奏楽部に誘ってからは、希美はみぞれのかけがえのない存在。
彼女たちが高校3年生になって最後の出場機会のコンクール。
自由曲が童話を元に作曲された「リズと青い鳥」。
第三楽章にオーボエとフルートとの掛け合いのパートがある。
曲を理解するために童話を読むのだが、
童話の二人の少女に自分たちの姿を重ねてしまう、希美とみぞれなのだった。
【感想】
一応は山田尚子監督の最高傑作ということで良いのかな?久々に観てみました。
キャラデザや色調がユーフォの本編と大幅に違うだけでなくて、
本編ではモブに近い女子がグループを組んでかしましく仲睦まじい姿を丹念に描きながら、
男子が背景で喋らないですし、後藤先輩はいたものの塚本秀一を目視できませんでした。
これは自分の想像ですが、本当は普段のユーフォの作画での日常があるのですが、
みぞれの心理状態を反映したみぞれ視点の主観の映像世界がリズと青い鳥の映像。
滝先生やはしもっちゃんや担任の教師以外の男性は認識されずにアウトオブ眼中なわけですね。
みぞれと剣崎梨々花のオーボエパートの先輩・後輩のストーリーは覚えておいたほうが、
のちのユーフォ本編の続きを楽しむうえでは良いかも知れません。
山田尚子監督と西屋太志さんをはじめ京都アニメーションのスタッフの方々などによる、
作画と演出の美しさと音の計算し尽くされて調和した淡い水色の静謐の世界。
丁寧な作画に裏打ちされた繊細な芝居と演出の数々は、アニメの映像を作るにいたって、
少女の美しさと切なさを極限まで純度を高めた表現力は、ひとつの到達点と言えるものでしょう。
才能と才能、感性と技術が組み合わさってここまで完成された映像世界は、二度と作れないかもです。
ただ自分はユーフォ本編のほうが起伏に溢れて楽しめる人間ですので、
映像芸術として極めて優れていても、リズと青い鳥はストーリーがちょっと退屈な映画なのですよね。
南中カルテット成分が多めですので、なかよし川好きには素晴らしいものですが。
まあ、のぞみぞの尊い二人だけのドラマの雰囲気を楽しんでいけば基本的には良いのかも入れません。
絵本の世界も、本田望結の一人二役の演技が棒読みなのが気になって、
この人を起用したのには演出的な意図があるのかな?と理解できなかったり、
正確に数えてないですが十頭身キャラに見えてしまうのに目線が行ってしまったり。
やはり自分は芸術方面に振り切ってしまった山田尚子監督の高度さを理解できない、
よって言語化するすべを持たない凡夫のようでした。
自分には、けいおん!やたまこまーけっとのほうが好みに合っているようです。
この映画も、もっともっと繰り返して視聴する必要がありそうです。
感想としては簡素ですが、これにて終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。