ナノトリノ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:今観てる
多重化の中のひとつ
世界の理を多層的に描くお話が好きです。
ギルドがあって冒険者がいてダンジョンがあって探索してる。そんな世界の裏側をダンジョン運営の視点からゆるくかわいらしく見せてくれそうです。この時点ですでに多層的な世界観ですが更にナゾを感じさせる造りです。
そう思わせる要因のひとつが主人公クレイです。彼女は作風に比べて覚悟が決まり過ぎています。幼少から父にスパルタ教育を受け、公式な最深踏破記録が7階層のダンジョンにおいて単身9階層にまで到達します。
ダンジョンに挑むのはただ知りたいだけ。3年前に消息を絶った父がどこまで行けたのかを。自分がどこまで父に追いつけるのかを。目の前の「フロアボス」がどれほど強いのかを。全然シリアスで求道的です。
ダンジョンの管理人ベルの方もかわいらしい見た目ですが言動に含みが多いです。
物語のメインはすっとぼけたゆるいギャグ調になると予想しますが、この先世界の深淵に切り込む展開があったとしても不思議じゃない。
このダンジョンの存在意義や父の本当の最期、管理人ベルの正体、求道者としてのクレイの行く末など。
もちろんそんなこと一切やらずにゆるふわ一辺倒だったとしてもかまわない。ただ深読みしようと思えば容易にできる世界観の提示がうまいなと感じた第1話でした。
キャラデや背景は比較的シンプルですが、これはひょっとすると動かす気が満々なのかもしれません。実際バトルシーンはそれがメインになるほどではないにしろ充分見れるし良い感じです。