Kiriharu さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 2.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
こういう作品を待っていたんだよ
なろう系の作品は今やバーゲンセールのように量産され、もはや毎クールなろう系が数作品あるのも当たり前の光景となって久しい。
しかし残念ながら、近年はほとんどが内容もワンパターンなもので、作画も低レベルの見るに堪えない物ばかりとなっていた。
そんな中でも、年に1個か2個というレベルでたまに現れる、面白い作品をずっと待っていた。
そして、遂に久しぶりの良作に出会うことが出来た。
導入はSAOのパクリのように思えたものの、この作品のポイントは、かつてのゲーム世界から500年もの年月が流れた世界に転移した、という点だ。
500年間、主人を待ち続けたシュニーはヒロインとして非常に可愛く、魅力にあふれたキャラであり、シュニーと主人公シンとの再会からは、怒涛の勢いで面白さが増して行った。
かつてのサポートキャラであるジラートとの最期の決闘も、500年間主人であるシンの力に届こうと研鑽を重ねてきたジラートと、仲間の死を受け入れたくない思いを抱えながらも、その気持ちに応えてプレイヤーとしての全力で決闘に臨んだシンの間の関係性はとても熱いものだった。
そしてジラートの死を一人の青年として悲しむシンを抱きしめるシュニーのヒロイン力には脱帽である。
作画のクオリティが低く、バトルシーンを含めた全体的な迫力や臨場感が不足していたのは非常に残念な所ではあるが、ストーリーが良ければ作画が悪くとも観ていられるという、ストーリーの重要さを改めて教えてくれる作品であった。
最終話ではこれまで触れられてこなかったシンのゲーム時代の過去や、他のプレイヤーの存在も徐々に明らかになり、シンとシュニーの今後の関係性も含めて、続きの展開も非常に気になる所である。
なろう系という砂の中に、時々こうした宝石が混ざっている事は、アニメ好きとしてとても嬉しいことだ。
続編を希望したい。