元毛玉 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
〇指立てて社会の常識に物申す
オリジナルアニメ
同時期に女の子がメインの音楽活動のオリジナルアニメが2作品あるので、両方見てみました。
夜のクラゲは泳げないとの比較を含めて書いています。
※以降、ガルクラ(ガールズバンドクライ)、ヨルクラ(夜のクラゲは泳げない)で表記
お話のざっくり概要
【神奈川県川崎市】に上京してきた仁菜。
元ダイダスの桃香に出会う。
蛍光灯を持ってきたドラムのすばる。
勧誘にきたルパと智を巻き込んでより大きな渦に。
とにかくロックな女の子が集まって作るロックバンド。
だいたいそんな感じ。
■物語
なんというかめちゃくちゃめんどくさい女達が集まって
大人が決めたルールや常識に「くそくらえ」を突きつける…
所謂、昔のロックバンドです。いまどき見かけないですw
ボザロはロックしてなかったですが、
こっちは正真正銘&天然記念物のロックです。
ボザロよりも遥かにぼっちでロックなヤベー奴が主人公になってしまったw
ひたすら色んな事でバチバチ喧嘩してます。
でもなんだかんだでバンドやる方向には話が進むという感じ。
基本的にはバンドのお話ですよ!
でも正直言って、主人公は狂人レベルですので、
作品は好き嫌いハッキリわかれるかと。
■作画
3Dですが、3Dにしては表情が豊かなので苦手な人でも見れると思います。
動きもかなり良い方だと思います。見てきた中ではトップレベル(とはいえ、基本3D避けてるので知らないだけでもっとあるかもです)
3D苦手なおいらが完走できるレベルなのでかなり苦手な人でも見れるほどにクオリティは高いです。
ただ…OPの方が良く見えるんですよねw
3Dが活きた部分としては11話のライブシーンですかねぇ。
3Dの強みを活かしたカメラワークで凄く良かったです。
おいらの中の3D評価では最高点つけてます。
でも、赤い線の演出だけは、ちょっと受け入れがたいです(苦笑)
■声優
主要メンバーは知らない人ばかりです、この作品がデビューなのかな?
とにかく、荒削りですね。キャラの粗削り感もマシマシです。
ただ…技術が完成され過ぎてないので、
その分、リアリティ感があるような?錯覚かなぁ?
演技がそこまでじゃないから、ヤベー奴感がマイルドになっている気はします。
ガチ演技だと、刺激が強すぎるキャラなのでこれでありなのかも知れません。
演技が若干甘くても3Dキャラだからなんかまだ許せるかも?
■音楽
OP/ED含めて劇中バンドのトゲトゲです。
「何が何でもトゲトゲを推すんだ」という姿勢は好感が持てます。
トゲトゲでまとめた一貫性としてはヨルクラよりガルクラを推します。
曲の魅力は、ちゃんと聞くとこちらも良い曲なのですが、第一印象ではヨルクラOPの方がキャッチーでした。
あちらは一回で良さが伝わる感じで、ガルクラの方は何度も聞いて良さが分かってくる感じです。
最終的には好みの差ぐらいにしかならないです。
第一印象で優れているというのは、現代のタイパ最優先市場では重要なので、その点はヨルクラを推します。
一貫性vsタイパで、ほぼ互角かなーと。
■キャラ
とにかく全員アクが強いですね。いっつも喧嘩してますし…
めんどくさい女しかいませんw主人公はヤベー奴ですw
この作品は天然記念物のロック魂を持ったバンドのお話なのですが、
そのメンバー達がちょっとアレなのは必然ともいえますねw
その根底にあるものを引き継いでるので、
作風としても今のキャラ作りや配置などのセオリーに対し
「くそくらえ」ってのを叩きつけています。
とはいえ、バランスは意識して配置されていますけどね。
若干予想の斜め上なのは確かです。
良い意味で破天荒で荒削りです。
見ていてキャラが予想外の行動をするので、どう話が転ぶのか読めないのも良い点です。
うまく言えないですが、物語の歯車過ぎないというか、あざと過ぎないというか
なんというか完成され過ぎていない魅力があります。
そういった意味でのキャラの魅力はヨルクラより上だと思います。
違いをまとめると
ヨルクラは物語の為にキャラが用意されている感があって
完成された物語の完璧なピースとなっているのに対し
ガルクラは個性的なキャラが先にあって、
こんなキャラ達が集まった物語が「こんなんなりました」って感じ。
視聴者によって好みは分かれそうに思います~。
■総括
最近見かけない本物のロックバンドです。久しぶりに見ましたロック。
色んな意味で常識に反発してます。作品的な部分でもです。
とにかく主張を曲げないめんどくさいメンバーが揃ってますね。
まさか、{netabare}メジャーデビューして速攻インディーズにUターン{/netabare}するとは…驚きっすw
どうでもいいけど{netabare}いきなり中指立てた時には、
元々の由来的に女性がやる{/netabare}のはどうなのかな?とも思ったのですが、
あっさり{netabare}小指{/netabare}に変えましたね。
今の人は元々の由来を知らなかったりするんだろうか??
3Dもこのくらい表情あれば、
苦手なおいらでもなんとか楽しめるってのが分かったのは収穫です。
作品を比較すると、ヨルクラが綺麗に良くまとめてきた作品なのに対し、
こちらは非常にアクが強くて印象的で野心的な作品です。
20年後にどちらの方が内容を覚えているかと言われると、多分ガルクラだと思います。
それほどに個性が強い作品です。爪痕は残せました。
刺さる人にだけ刺さる。まさにトゲなしトゲありだと思いましたw