わんわんお さんの感想・評価
2.1
物語 : 1.0
作画 : 2.5
声優 : 5.0
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
なぜ面白くないのか[原作ネタバレあり]
一般に物語を通して何の変化もないキャラというのは稀であり、このすばのキャラ達も普通に変化していき物語も変化していく。
原作では特にカズマの成長やラブコメ色が強く表れ始めるのが今期パート。シリアス感も増していく。
それを初期イメージを維持したかったのか分からないが、カズマの無双、ダクネスのガチ堕ち、アルダープのホラー等を全部弱めて変化を排除したせいで、魅力を削ぎ落した中途半端なものになった。
原作者が表現したいことの為に作ったプロットで別のことを表現したらちぐはぐな物が出来上がることは誰でも理解できるだろう。
より具体的に例えば3期最終話。本来ダクネスが心の底からカズマに堕ちる話だが、サブである仲間・父親との関係が目立つ。なぜ?
さらにクリティカルヒットなカズマの台詞に対してダクネスは従来通りのコミカルなドМ反応が採用されている点も強烈な違和感。
先の夜這い回で進展したのがまるで無かったかのように、以前の関係性にこの演出で巻き戻っている矛盾に監督は気付いていないのだ。キャラの変化=物語の進行を自身の手で進めるのを恐れているのであるしらんけど。
以降カズマにガチ恋する引き金となる出来事なのだから、ここはもっと恋愛感情が盛り上がる演出になるものとばかり思っていた。
百歩譲ってダクネスの事はギリギリ許そう。カズマの変化を回避したのはダメだ。
原作の最終局面では、カズマは全てを賭けて本気を出す漢になっているわけだが、そこに説得力に欠く唐突さはなく、読者の納得のいくステップを経てそうなっている。
3期はまさにそのステップの重要な1つで、ここでカズマを引き立たせないとその唐突さが生まれてしまうことになるのだが、王城回で本気の彼の格好良さを削ってしまった。制作陣本当に最後まで原作読んでいるのか、これで最終話に着地できると思っているのか疑問が浮かぶ。
元より原作から大きくコメディに寄せたのアニメ化であったが、変えてはいけない所まで変えてしまったのが3期、だから1,2期,映画のように面白くない
最低でも本気のカズマとダクネスの恋という変化は原作に忠実でなければならなかった。そのための原作メインプロットであり、それゆえの今後の展開があるのだから。
4期には期待したい