蒼い✨️ さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
百合とパ◯ツ。
【概要】
アニメーション制作:ティアスタジオ、イーストフィッシュスタジオ
2019年11月22日に公開された、全1話のOVA。
原作は、女性向けの漫画雑誌『もっと!』からウェブコミックサイト『Champion タップ!』
に移籍して連載されていた、さとによる漫画作品。
監督は、佐藤卓哉。
【あらすじ】
内気で人付き合いができない女子高生の森谷美鈴は世界の時間を1日3分間止める能力で、
都合が悪くなると人から逃げ続けて友達がいない。その美鈴は自分だけが動ける、
時間が止まった世界での人間観察を楽しんでいたのだが、
同じクラスの中心的人物で美少女の村上遥に興味を持ち、
彼女のスカートを捲ってパンツを見ようとすると、
止まった世界で美鈴の他には遥だけが影響を受けずに動けるようになっていた。
弱みを握られた美鈴は、秘密を守る代わりに遥のお願いを聞くことになるのが、
ふたりだけの秘密の時間を共有し続けていくにつれて、
美鈴は遥を強く意識するようになるのだった。
【感想】
アニメーション制作のネクストバッターズサークル(ティアスタジオ)が破産して、
未払いと夜逃げ疑惑が2019年当時のTwitterで話題になったのが記憶にあります。
小一時間程度で終わるので暇潰しに観てみましたが、
パンツ覗く趣味の女性主人公のキャラ付けや、時間を止めての二人の奇行の数々。
そしてもともと百合アニメに興味が持てないので面白くはないなと思いつつ続けて観ていると、
他人との距離感に悩む人間関係構築のしんどさと自分らしく生きることの難しさの話になって、
人間社会に適応することへの不安やストレスからの逃げ場所に時間停止というSF要素を絡めて、
美鈴が精神的に満たされることで必要なくなった特殊能力が消えるゴールを目指している?
美鈴と遥の青春ドラマと成長物語?ですよね…これ。
社交性が正反対の美鈴と遥には、“人から嫌われて傷つくのが怖い”共通点があり、
人から逃げてばかりの美鈴が自分の殻を破って他人と関わるきっかけになったのが遥であり、
八方美人の遥が抑圧とアイデンティティ喪失で悩んでいるところを美鈴の言葉で気付かされる。
特に、“愛”と“熱意”で思春期の葛藤で作られた遥の心の扉を美鈴がこじ開けていく。
理屈はどうであれ、うわべだけの関係じゃなくて本音をぶつけ合って肯定してくれる人がいる。
それだけで、幸せになれるという話でした。
ざっくりした感想ですが、モノローグが過剰で全部台詞で説明していますし、
作画もカロリーが低めで表情もあまり良くはない。映像の魅力は薄いですね。
時間を止めての教室でのストリップやスカートをたくし上げてのパンツの見せ合いっこも、
解放されたい願望のあらわれなのでしょうけど、何も思うところもなく…??ですね。
思春期特有の傷つきやすさからくる心の闇(大人の苦労はもっと大変)の話で、
成長過程の心の脆さと発散・逃避、そしてあるがままの自分を受け入れてゆく過程こそが、
この作品の味であるのでしょうけどね。
正直な話、面白いか?と言うとちょっと微妙でした。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。