マサ さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
【60点】心理描写は丁寧だがホラーとしては荒唐無稽な所も多くカタルシスが弱い。
オリジナルアニメ。閉塞された村で生きることを決意した心に暗いものを抱えた男女の集団が怪現象に巻き込まれる話。
ナナキと呼ばれるキャラの抱えているトラウマを具現化する異形とナナキの住まう村という設定を利用した群像劇を描きたかったのは分かるが、キャラを無駄に多くした割にモブ同然の存在感の人物が多く、主要キャラも不快な人物ばかりで感情移入しづらい。ウジウジした性格の主人公、口をつぐんでばかりのヒロイン、ホモな幼なじみとメインと思しき3人ですらキャラ的に好きになれる要素が薄い。
ナナキは人によって多種多様な姿に変わる所が底知れぬホラー感を上手く演出できていたが、そのトラウマにまつわるエピソードをつらつらと並べるだけで乗り越えているかのような描写がなく、ただただトラウマに苦しむ人々を雑に描いているだけでカタルシスが無い。トラウマを乗り越えられず村に残る道を選んだ人もいてその選択は自由とも取れるようなテーマを描きたいのであればそれはそれでいいのだが。
典型的な「設定は面白いが内容が酷い」というパターン。ホラーや人間ドラマとしての面白さの片鱗は感じるが、形としてはとてつもなく歪なものになっている。