たナか さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
Time goes by
ネトフリでみれます。
原作者によるアンチTVシリーズ。アニオタより井上信者向け。
作者本人がTV声優を否定、芝居プラン含め作者本人のイメージで選抜。
今やレジェンド漫画扱いだが世界中でワールドクラスのスター選手を産んだキャプテン翼とは違い特にバスケブームも起こせなかったし、当時はバスケ部員たちをはじめ運動部のウェイどもは「ジャンプwww小学生かよwww」ってなサブカル不遇時代だったし、漫画に寛容なバスケ部員たちでも「DearBoys」派がほとんどだった。
アンケート対策としていつでもヤンキー漫画や恋愛漫画にシフト可能な周到な配置を準備してのスタートだったが、順当にバスケ漫画を貫きながら不当な引き延ばしもなくあっさりと第一部完、そして伝説へ…という幸せな作品。ここで井上先生がその後売れずに困窮していたら二部再開みたいになるんだろうけど、もはや続きを書く事はないでしょう。若さゆえの熱量ありきの完成度だったと思う。
OP:THE Birthday
TMGEでおなじみ伝説のシンガー・チバユウスケ氏率いるバンド。井上先生が大ファンでオファー。チバさんスラダン知らなくてこれで初めて読んだらしい。いちいちいらんこと言うのもこのお方らしいといえばらしい。しかし今作が遺作となってしまった。間に合ったといえばいいのか…。
ED:10-FEET
これまた大ベテランの3ピースバンド。当初はパンクだった気もするがデスやらメタルやらエモコアやら様々な要素が同じ楽曲に混合するカオスなスタイルで人を選ぶ感じ。小手先の難しいテクニカルなフレーズを弾きこなすよりも、こういうシンプルなギターリフをカッコよく鳴らすほうがよほど難しい。今回は劇伴も担当というマルチな才能を発揮、スリリングな試合展開の演出にも多大な貢献をみせる。この大抜擢のおかげでキャリア25年で初のTV出演、紅白出場、ドラマタイアップと大忙し。よかったですね。
監督・脚本が本人という印籠がなければ炎上待ったなしだった気がする。スゲー才能持ちの能天気なバカキャラが主人公なのは嫌味になってしまう時代。才能はあるものの体格的にはハンデを持ちながら可哀想属性も付与されたイケメン主人公って実にイマドキ。取ってつけた後付け設定っぽくもあるが、キャラクターの引き出しの多さを再確認させる色褪せない基本設計はさすが。同じことをやってもしょうがないって感じで、大人の目線も感じさせる今だからこそできるスラムダンク。舞台設定こそ同じだがギャグも全く無いし主旨もかなり違うので、原作ファンからも賛否分かれた押井版攻殻のような変わり様。名言も名シーンも入りきらないのは当たり前だが、あれがない!これがない!ありえない!わかってない!とのブーイングが少ないのは印籠あってのことでしょう。
試合シーンは文句のつけようがないデキ。しかし漫画と違ってじっくり見れないし今何が起こっててこの動きがどう凄いのかっていう説明が一切ないのでバスケ経験者と初心者では画面から受け取れる情報量に顕著な差が出てしまう。ダブルクラッチとかはまだ目で追えるけど、細かいフェイントとか気を抜いて観てると気付けないレベルでさりげない。今は解説ブログや動画もたくさんあるからそっちでフォローしてねってか。でもあのインテンションファウルがどういう意味を持つのか、とかくらいは説明してもよかった気もする。
試合ではビュンビュン動くのでむしろ一時停止した静止画のほうがCG感がある。しかし顔面の演技はほとんどないので新しさは特に感じられない。全編モーションキャプチャや画風のレタッチにすごく金かけてる感はあるけど、まだD4DJやガルクラのほうがアニメ的な表情表現という観点では新しさを感じる。しかしコメディ演出を削除したうえ、過去編は暗い顔ばかりで試合シーンは真面目な顔ばかりなので、表情に変化のない場面が多いゆえにそこまで気にならない。流川ってほぼ差分ないよな。
リョーちん掘り下げドラマパートは…、はいはいいつものウェットな日本映画だなあって感じで最初からフラグビンビンなので速攻冷めてしまった。とりあえずキャラを画面いっぱい顔面アップで映してギャン泣きさせるのもういいよ。どうせこんなのプロデューサーの要望でしょう。いや普通にイイハナシダナーではあるけども、誰もスラダンにお涙頂戴なんか求めてないでしょう。本当に泣ける映画ってのは、画面のキャラが泣いてないシーンでこみあげるやつ。画面のギャン泣きに釣られるのはただの生理現象。
花道だけは流石に違和感。うつ伏せのシーンでは誰の声かわからんかった。