タック二階堂 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ウィスキーのロックを片手に、静かに味わいたい良作。
詳細は公式サイトでも。
P.A.WORKSお得意の「お仕事モノ」アニメです。なんと劇場版という意欲作。いちおう、P.A自体も「お仕事モノ」シリーズの第5弾と位置づけているようです。監督は「有頂天家族」を手掛けた吉原正行氏です。
幻のウィスキー「KOMA」復活を目指す駒田蒸留所の若き女性社長・琉生(CV:早見沙織)と、その奮闘劇をウェブ記事として昇華させようという光太郎(CV:小野賢章)の物語。
といった感じのストーリーです。
序盤こそ、上から降りてきた取材企画に興味ナッシングの光太郎が、ウィスキーづくりの取材に無気力無関心から、いろいろやらかします。しかし、琉生の「家族のお酒」を復活させたいという想いに徐々に感化され、記者として成長していくストーリーは王道でありながらも、心地よい視聴後感を得られます。
やや光太郎の成長が急すぎるのと、中盤の事件が話を動かすためとは言え、少し無理やり過ぎたかな(一応の伏線らしきものはありましたが)といった印象。
これが「花咲くいろは」のように1クールで、欲を言えば2クールでじっくりと描いていれば、P.Aを代表するお仕事シリーズの「SHIROBAKO」と比肩するレベルの名作になれたかもしれないと思わせてくれるポテンシャルはある作品でした。
まあ、登場人物が社会人の大人ですから、深夜帯のアニメオタクに受けるような内容ではないとは思います。今期で言えば「バーテンダー~神のグラス」を楽しんで観ている大人な視聴者が、ウィスキーグラスを片手に静かに味わいたい、そんな良作だと思います。