「好きでも嫌いなあまのじゃく(アニメ映画)」

総合得点
67.9
感想・評価
17
棚に入れた
59
ランキング
2290
★★★★☆ 3.6 (17)
物語
3.3
作画
4.0
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.4

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ネタバレ

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

インディビジュアリー・ツイステッド

ネトフリオリジナル。何故かR–13。
ジブリ×新海誠のキメラファンタジーインバウンド観光番組。

ボーイミーツガール×ロードムービー×セカイ系メルヘン
コテコテのわかりやすいシンプルさでインバウンドアピールも兼ねた海外向けアニメかなあ。

楽曲・ずとまよではなくベタなアニソンのが似合う気もするが海外人気高いからな。
作画・雰囲気は素晴らしく、歩くだけの作画が特にいい。CG多用も違和感なくグレイト。

もはやジェネリックにすらなり得ないレベルの透き通る味わい。キモくない新海誠的な見た目通りのアニメオタク排斥作品。萌え幼女やイケメン等フェチ記号は皆無。ムチムチも巨乳もロリもツインテも無し!特に不幸でも可哀想でもないのでキャラの魅力ガー!切り取ってミーム化を楽しむ名言ポエムも無し。商売臭が透けて見えるあからさまな聖地化狙い。あまりにもふわっとした舞台設定。うすぼんやりとした無いも同然な道理。こじつけ妄想談義を正面から否定する素直さ。なろうレベルの雑なハイテンポ。もちろん解説キャラなどいない。ここは動画勢のフォロー頼りな甘えも感じる。オタクが観る場合は亜人萌えの特殊性癖持ち、もしくはきららレベルのやさしいせかいがお好きならワンチャン。

新海誠をさらに先鋭化させたロマン主義。つまりスーパーウルトラアルティメットご都合。道すがら出会う人たち全てが聖人君子。古き伝承が新品同様の保存状態で残る街。連絡手段もないまま再開可能な豪運。不仲とは言え機能不全家族とまではいかない程度で特に機能的な生きづらさもなくやや困った程度の主人公ヒイラギ。母を探してなんとやらな鬼っ子女子のつむぎは片親育ちではあるものの、芯の通った真っ直ぐ朗らかな快活さでトラブル時ですら相手を怒らせることもなく初見の相手の懐にもスッとナチュラルに入り込むスーパー処世術を駆使するバイテリティ&メンタリティのハイスペックONI。天邪鬼ってタイトルだが特に誰も拗らせてはいない。正直このタイトルは内容にもマッチしてないし完全に失敗だと思う。

すっきり爽やかで軽やかな透き通る優しい味わい。薄い!軽い!浅い!と言えばそのとおり。だってアニメオタク向けじゃないから。漫画好きから見た怪獣8号、D&D好きから見たダンジョン飯、トールキン好きから見たフリーレンみたいな。低学年層をVチューバーからアニメ市場に取り戻す意図の企画で鬼っ子にしたのかも。

閉じた世界で育ったつむぎが「やさしいせかい」に感動するのは「それでも世界は美しい」ってやつか。つむぎがハイカーストレベルの上級陽キャなのは外部からの干渉を拒絶した弱者パラダイスな鬼の里での集団引きこもり生活による発育環境の賜物か。精神の安寧の基盤である安全地帯が担保された環境で育った子供は健全な発育が期待される発達理論、もしくは片親でも長屋の人情的な保育環境によるおばあちゃん仮説か。でも鬼のまんまなのよねえ、つむぎさん。ここらへんの設定もふんわり。余白!!!!

お里のための贄ってコテコテさもヤシロにいるだけでOKなやさしいせかい。普通死ぬよね。そんで「なんで自分だけやねんズルい!クソが!」って何故今更な謎タイミングで不意にイジけた母親のせいで雪の神が暴走するのもお約束でいいとしても鬼を喰らうってんなら討伐対象になりそう。そんで勝手にお役御免とバックレたら里が破壊されるでもなく場所がバレちゃうってだけ。でも鬼のツノは人間には見えないのでバレたところで迫害も殺害もなし。やさしいせかい。

言いたいことも言えないこんな世の中のポイズンたちはみながみな鬼と化してしまうのか?他の自閉気味な子たちはつむぎのしらないところで孤独に鬼になってたとしたら、いったいどうなってしまうのか?謎は尽きないがおそらく彼らの物語が語られることは今後もないだろう。大人の都合で。エロゲレベルのご都合マッチポンプ感はやはり新海誠リスペクト。

キモくもなく嫌味もない素直な味わいの薄口爽やかメルヘンなので特に嫌いではない。
アニメオタク相手には「観なくていいやつ」って言うかな。情報を求めると何も無い。

投稿 : 2024/05/25
閲覧 : 57
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