wkr さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
性欲とは、賢と愚の紙一重
良い意味で下品なギャグ物かと思いきや裏生徒会と男子生徒側の内部抗争と男子生徒達の友情、性欲を描いた素晴らしい作品でした。
序盤はギャグ色強めであまりにも男過ぎるキャラ達が面白くて笑いっぱなしでしたが中盤、シンゴが脱獄したのがバレてからは序盤の内容とは打って変わってかなりシリアスになります。あれ?と最初はなりましたが、そこもそこで心理描写のリアルさ、展開作りや伏線回収の上手さが目立ち、特に些細なことが次第に大きく広がっていくような展開作りは期待感があり、キャラも精製されてきておまけにキャラやギャグも面白い。序盤から中盤は、キャラをしっかり見せてから話の本筋に移る構成でそれがとても上手でした。駆け引きの流れもかなり自然で違和感の少ない合理的な展開が多いのも良いところです。男子生徒側も裏生徒会側やその周りもキャラが濃く印象に残るキャラばかりで、その中でも男子生徒達はどこか欲に忠実でズレていながらも人間味のある魅力的なキャラで5話あたりからはより味が出てきます。キャラ描写も無駄が無く、それぞれのキャラの目的もはっきりしているのでそれ故に話の流れがシンプルで分かりやすいのも魅力です。作品自体はかなり尖っていて、下品さとシリアスの塩梅が見事に絡み合っている独特な雰囲気、更にはリアルな展開と濃すぎるキャラ達のバランスが素晴らしいです。シーンも構図や演出がこだわられているシーンが多く、作画も良いので目も満足出来ます。声優さんは何とも下品なセリフを躊躇なく迫真の演技で言ったり、メインの人は皆一級品です。
この作品は男の性欲というものを中心に描いています。この作品の話が動くきっかけとなったものも、ピンチを切り抜けたのも、この作品におけるギャグも、5人の目的だって結局は性欲に帰納しています。その要素がしっかりと根付いているからこそブレのない、確立された作品であると言えます。でも言ってしまえば"しょうもない"作品なんですよねw 男達が己の欲望の限りを尽くし奮闘する物語、最終的な目的は林間学校で透け水着なんちゃらだった記憶ですw そのしょうもなさを受け入れられるかが意外と肝になってくる作品かもしれません。
ストーリーは本当に欠点らしい欠点が見つからない、個人的には満点の出来で久しぶりに一気見しました。でも強いて言うなら裏生徒会長が何故そこまで男子を敵対視するのかはっきりしない点、終わり方が少し余計だった点(これに関しては原作が続いてるから仕方ない?)、ギャグが好み別れそうな点は欠点ですかね。それを鑑みても面白すぎました。キャラや雰囲気についても好みが別れそうですが、大丈夫な人はとことん楽しめるはずです。