蒼い✨️ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
OP曲がイマイチなのでこの評価。
【概要】
アニメーション制作:スタジオバインド
2023年7月3日 - 9月25日に放映された全13話のTVアニメ。
原作は、「小説家になろう」に連載されていたweb小説を改訂し、
KADOKAWAのMFブックスから刊行された、理不尽な孫の手によるライトノベル。
原作イラストは、シロタカが担当し、
『コミックフラッパー』にて、漫画家・フジカワユカによるコミカライズ版が連載中。
監督は、平野宏樹。
【あらすじ】
高校時代のイジメを苦に引きこもって働きもせずにブクブクと肥え太り、
両親の葬式をサボっては姪に欲情をしていた34歳無職DTニートの男は、
兄弟によって実家から叩き出された日にトラックに轢き潰されて異世界に転生。
剣と魔法の異世界で、元冒険者の両親で貴族の傍流の家系で親ガチャに成功して、
赤ん坊からやりなおすことになった男(ルーデウス)は、前世で諦めた自分の人生を、
今度こそ満足行くようにと、家族や友人(女の子!)などの人間関係構築や、
剣と魔術を学んでの自己鍛錬に励んでいく。
前世では自分を心配してくれた親兄弟などの身内からも逃げていた反省からか、
今度の人生では人の縁を大事にして充実した日々を送っていたルーデウスは、
フィットア領転移事件に巻き込まれて家族や自分を大事にしてくれた人たちとも離れ離れ。
一緒に転移したお転婆な貴族令嬢のエリス、スペルド族の戦士のルイジェルドとともに、
魔大陸から中央大陸アスラ王国に帰る旅で冒険の日々を続けていたルーデウスは、
赤ん坊の頃しか知らなかった幼い妹たち、やさぐれていた父・パウロと再開したり、
その父親と喧嘩しては和解したり、龍神オルステッドに殺害と蘇生をされたりと波乱万丈。
魔力災害で街も村もなくなってしまった故郷に3年ぶりに到着。
護衛の役目が終わったとルイジェルドが去り、
家族全員を失ったエリスは、ルーデウスと結ばれた後に彼が寝ている間に、
ルーデウスを龍神から守れずに一度は死なせた後悔からの剣の修業のために、
ルーデウスに真意・理由を告げずに短い置き手紙を残して去ってゆき、
説明不足でエリスに捨てられたと思った失意で、ルーデウスは不能になってしまった。
“失恋”のショックで死んだ目の状態のルーデウスは、
Bランクの冒険者パーティ「カウンターアロー」に誘われたのをはじめとして、
様々な出会いを重ねていくのだが、
やがて不能治療の道標となるお告げをヒトガミから受けるのだった。
【感想】
ルーデウス君が男性の象徴としてのアレが使い物にならなくなって酷く落ち込んでいて、
再起するために丸々1クールを費やしたと文字にしてみると冗談みたいに見えますが、
性的な描写も含めて男性心理のデリケートな部分のディテールを描くのが、
本当に好きな作者だなと思ったり。その反面で女性心理を描くのはあまり得意じゃないなと。
これは、男女逆にすれば女性作家の弱点であるとも言えますが。
人は人と関わり合うことで傷つくものであるが、
心の傷を癒やすのも心を閉ざして現実逃避で自分の世界で逃げ込むことでなくて、
他人と関わって衝突し合いながらも学習していく。
主人公が前世では閉じこもってきたニートだっただけに、
逃避は人生の時間の浪費で何の解決にならない。
それに早く気づいて、踏み出す勇気が大事みたいな話を序盤の冒険者としての話で、
作者が描きたかったことなのかと思います。
不能が原因で、うまくいきかけた女冒険者のサラとも最悪な結末になるのですけどね。
んで、不能が治る方法が見つかるかも知れないと入学したラノア魔法大学では、
個性豊かなキャラたちによる日常はまるでギャルゲーみたいなノリの話ですが、
大学で出会う大勢のキャラが今後の展開でも絡んでくることもあって、
アニメでもしっかりと描かないといけないこと。賑やかなのは良かったのですが、
フジカワユカ氏による漫画版を先に読んでたこともあって、
尺の都合で端折られるのは仕方ないとは言え、
動きによるキャラ付けやギャグが抜け落ちてたのが少々物足りなかったかも。
猫の獣人族のリノアの猫の習性による媚びた動きに苛ついたルーデウスが、
リノアの尻を平手打ちで折檻するとかね。やはり、アニメの魅力はキャラの動きで、
人格や可笑しみを表現することにあると思う自分にとっては、
その傾向での積み重ねが2期では平凡になってしまったことで、
作画の評価を1期より落とさざるを得ないです。
1期の作画が良かっただけに、比較されてしまうのは仕方がないですね。
美術的な良さは健在だっただけに惜しいと言えば惜しいですね。
今回はヒロインのひとりと再会してそれにルーデウス君が気づかないままに話が進んで、
やがて彼女とは身も心もつながってゆく話なのですが、そういやこれってヒロインが複数いて、
一夫多妻制の話だったことを思い出すとモヤッとするものもあるのですが、
ルーデウスは挫折や悩み・苦しみだらけの人生で、
しょっちゅう運命に翻弄されて突き落とされてるので、
役得とのバランスは一応は取れてるのかな?
1期ほどのワクワクや驚きはありませんでしたが、
折を見て続きを観てみようとは思いました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。