メンバー さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 1.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
BLUE GIANT
アニメーションが良かった。ストーリーが面白かった。根性、努力、嫉妬や羨望、年長者のプライドや老害っぷりなど、人物並びに人間関係の描写が素晴らしかった。
音楽については、全然良くなかった。作中の主役たちの演奏では、何をやってんだかよくわからない、ややこしいフレーズばかりが強調されていた。楽曲の土台となる明確かつ強力なノリが上手に作られていないと感じた。各パートが好き勝手に複雑なことばかりやっていて音としてまとまりがなく、曲に一体感がない。そろうところはそろっていたが、キメのようなところがシンプルにダサかった。
作中では主役たちの努力と修練の日々が散々描かれていたこともあり、彼らの演奏自体には「なんかすげえことやってる感」が十二分に出てはいた。しかし音楽としては、聴いていて全く気持ち良くなかった。スカスカの低域、機械的に連打されるピアノ、逐一勢いが死ぬ詰まったようなドラム、その上にすさまじい勢いで「ブババブブブリリブぶ、ぶb、ぶ、ブリリ~!ぶぶッバっ!ブッぶリリぶブりりりぃぃ~♪」といった、下痢で尻を便器から離せない人が放ちそうな音が延々と鳴り続いていた事くらいしか記憶に残らなかった。やや汚ならしい表現を用いてしまったが、正直な感想を述べたまでの話であって、貶す意図はない。
このレビューを書くにあたり、再度本作の演奏場面を観なおしてみた。やはり、聴いていて全く気持ち良くなかった。聴いていて楽しくなるような曲ではなかった。こういった演奏だと、聴きながら譜面を分析しつつピクピク小刻みに動いて音に反応するくらいしか、彼らの出す音を楽しむ・攻略する術は無さそうだ。実際、作中では彼らの演奏を聴きながら、ピクピク痙攣している観客(おじさん)の様子が描かれていた。確信した。そんな音楽が流行るわけがない。スイングしなけりゃ意味がないんじゃなかったのか。主役は「俺たちジャズやるんだ、かっこいいな!」と言っていたが、肝心の音がかっこよくなかった。