テナ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
夢を掴む為に
東西南北からアイドルを集めてアイドルを目指す話しです。
実は当日の朝まで見に行くか悩んだ映画です。
ただ、私はアイドルアニメは好き見たいです。
私が多分、1番愛したアイドルアニメは「ラブライブ!」の初期で、それから真剣にアイドルアニメを見始めて、これまで見たアイドルアニメも不評なものは個人的に少なく、今でもアニコレのアイコンにしてるから解る人は解るかと思いますが「ナナニジ」も好きだったりします。
で、結局、見に行きましたね。
ただ、この作品はアイドルアニメではありアイドルアニメらしくはないかな?と思います。
描かれて居るのはアイドルがキラキラしていて苦悩しながらも最後はアイドルが大好きだと突き進むアニメではなく、どちらかと言うとアイドルになった事での苦悩の方が多い印象です。
主人公「東ゆう」
彼女はアイドルが大好きだけどオーディションで失敗し続けて、アイドルとして道を切り開く事にし東西南北から可愛い子を集めてアイドルを目指すのですが、彼女は控えめに言えば性格悪いです。
「華鳥蘭子」「大河くるみ」「亀井美嘉」を集める。
しかし、コレは彼女がアイドルとしての話題作りの為だけに会い行き集めます。
で、アイドル計画も勝手に東が1人で進めて行き、3人は何も知らない間にアイドル計画に巻き込まれて行くのですが、正直、ここから運と奇跡が続いてアイドルレビューするのですが、かなり都合のいい展開かな?
アイドルになるまでがトントン拍子も過ぎるレベルでトントン拍子ですww
で、曲を出すまでは上手く行っていたのですが、そこから気持ちはすれ違います。
そんな仲、亀井に彼氏が居た事が発覚します。
アイドルに恋人が居てはいけないと言う声はよく聞きます。
私、個人はアイドルに恋人が居ても居なくてもどうでもいいかな?って思う。
私の場合はですけどね。
私って可愛いからとかカッコイイからとかで応援しなくて、例えば曲がいいとか演技に魅せられるとか、頑張りとか努力を見て応援したいってなるんですよね。
恋人が居てもパフォーマンスや曲が良ければそれでいいし、恋人が居るからデートで練習時間取れないからライブは適当にしますとかなら問題だけど、しっかり活動していればいいんじゃない?
好きな人も出来るよ。人間だもの。
って思います。
確かに恋人が居たらファンが離れたり応援されなくなったりすると思うけど、本人の問題だし、本人がそれでもいいならいいんじゃない?って思うんですよ。
ただ、この話しを見ていたら事務所に迷惑を掛けたり、それでグループの評価を落とす様な自体になるのなら、やっぱり恋人を作ってもいいとは言えないのかな?って思う部分はありましたね。
私はアイドルじゃないからアイドル側の意見は解らないけどファンとして考えたらね。
まぁ、この写真流出って多分、彼氏さんかな?
多分、亀井は事務所に入った時に話を聞かされてるだろうし。
彼女がアイドルしてて秘密にしてるのを世間にバラす投稿をするのは馬鹿過ぎない?
映りこんだとかじゃなくて自撮り系の写真じゃんww
で、その事を知った、東は彼女に言います。
「彼氏居たの?彼氏居たなら友達にならなかったのに!」と、いゃいゃ、違うでしょ?
友達は違うだろ?と思いました。
アイドルに誘わなければとかじゃなくて、友達にならなければ、は違う!
コレは無いですよね……
こんなん友達に言われたら嘘でも凹むよ。
結局、東はメンバー……友達すらアイドルへの道の踏み台にしかしてなかったのだと思いました。
他にもライブで歌唱力の高いメンバーは東だけだから東以外は口パクでと言われて東は反発します。
それに「歌が苦手だから助かる」と東を宥める華鳥に東は「苦手だって解っているなら練習しなよ」って一蹴します。
確かに、東は間違えた事は言ってないんですよね……
ただね、それは正論だけど、苦手って解っいる彼女が練習しているのを東は知ってると思うんですよ。
同じ「東西南北」のグループなんですから!
練習をしても中々上手く出来ないから苦手なんでしょう?
じゃ、一緒に自主練に誘ったりアドバイスしたりしてあげればいいじゃん?って思うんですよ。
苦手は克服出来ないから苦手で、苦手な人って苦手な事を克服しようと自分の考えつく方法を試すと思うんだけど、それがダメだと手段が思いつかないから第三者の力が必要だと思うんですよね。
冷たく突き放す正論を一言言うだけで、メンバーに寄り添えてない、人気アイドルになる事しか見てなくて1番最初に見なきゃいけないメンバーの事を見えてない様に感じました。
大河はカメラや人前に出る事は本当は凄く苦手な女の子で、多分それでも頑張っいたのは、この4人で一緒に入れるのが楽しかったのかな?って。
だから、頑張っていました。
何度も何度も立ち止まり迷い苦しみながらも……
でも、限界が来てしまう。
不安や緊張からくるストレスなんてどうにもならない。
だから、彼女は嫌だと叫びながら仕事を拒絶されてしまう。
東はアイドルを素敵な仕事で幸せだと言います。
確かにアイドルは素敵な仕事だと思う。
けど「幸せ」だろうか?
「幸せ」は人の数あるものです。
「幸せ」の感じ方や考え方は一人一人違う。
「幸せ」に正解も不正解もない。
なのに、東は自分の考える幸せは他人にも当てはまる様な言い方をします。
コレって自分の幸せ=皆の幸せでは絶対ないとおもうんですよね。
で、東は言います。
「いつか馴れる」と。
確かに、辛い環境にいると人は「馴れる」のです。
勿論、心や身体を壊すのですが……人間って不思議と慣れてしまう。
しかし、それは平気な馴れではありません。
負担を感じずらくなっているだけで危険信号です。
心は死んでいます。
自分の身体の叫びや心の叫びに気づいていても自分の中で「いつもの事だ」と納得してしまう。
そして最終的には重度の精神的病や過労死や自殺に繋がり最悪の自体を招く場合がある。
だからこそ、「慣れてはいけない」
苦しいことや辛いことがあれば逃げてもいいし目を背けてもいい。
だからこそ、私はこの主人公の東を見ている、この子が嫌いになりそうでした。
大河のシーンはなんか見ていて可哀想でした。
彼女は頑張っていたけど、ついに限界が来て暴れてスタッフさんに抑えられて連れて行かれて……
彼女は頑張ってきたからこその反応だと思いました。
けど、彼女はギリギリの所で辛いことを辛いと言えたのは安心しましたね。
そうして、東西南北は解散する事になる。
番組のゲスト出演、小さなイベントライブ、自分達の曲は1曲のみ……2曲目の話しもありましたがグループは空中分解をしました。
そうして、「東ゆう」は1人になった。
彼女はアイドルが大好きでした。
私は最初は「東ゆう」を1番よく見ていました。
主人公って言うのもあるんですが、あの歳で「アイドルになる夢」を持っていて、自分で夢を叶えようとする行動力ある。
私は東ゆうと同じ歳には夢を見つけられませんでした。
だからこそ、自分の夢見つけてアイドルになった自分をイメージして下準備を始める行動力。
もしも私も当時、夢を見つけていたら同じ事が出来たでしょうか?
いいぇ、きっと私には出来なかったと思う。
だからこそ、私は彼女を応援してました。
秘かに東西南北のメンバーを集めて集めた理由を話さない事に内心ツッコミを入れたり、都合の良すぎる展開ばかりだと思いました。
けど、自分にはきっと出来なかった行動力を持ち自分には見つけらなかった夢を持つ東を私は尊敬したし、だからこそ応援していました。
だから、東の友達への言葉や配慮の足りなさにショックを受けました。
事務所から3人の脱退処理を聞き「どうするか?」と聞かれて彼女はアイドルを辞めてしまう。
ただ、この返答で東の「アイドルを諦めた理由」がこのシーンで解りました。
私は最初は1人でも続けでばいいのにと思いました。
別のグループに入る、ソロとして地道にチラシを配ったり、無料でライブしたり、無償でイベントに参加させて貰えばいいのにと私な思っていました。
彼女は性格が悪い。
彼女をみて何度も最低な奴だと思ったけど、それと同時に彼女がメンバーに酷いことを言うのは、彼女自身がアイドルが大好きで本気でアイドルを夢見ていたからこその発言なんだよね?って思って見ている私も居たんです。
だから、私はアイドルになる事を諦めないで欲しいと思いました。
で、断った理由は「東ゆうにはアイドルの価値がない」
ここで思い出して欲しいのが「オーディションを受けずに自分でアイドルを目指した理由です。」
「色々なオーディションに落ちた」です。
そう、彼女はソロで挑み何度も落選しました。
そんな彼女はきっとこう考えたのではないでしょうか?
「自分にアイドルとしての価値はない」
だからこそ、東西南北からアイドルを集めて話題性をつくりアイドルを目指したかった。
つまりアイドルグループ「東西南北」は「東にとってのアイドルへの最終手段」だった。
だからこそ、グループで力が入りすぎてしまい酷い発言でメンバーを泣かせて苦しめてしまった。
本気だからこそ、メンバーの発言や行動を許せなかった。
そして、その東西南北はもう居ない。
彼女の頑張りがグループを壊してしまった。
1人になった彼女自身にアイドルの価値もない。
それなら諦めるしかない。
グループってね。
理想は同じ目標や熱意を持つメンバーで集まるのが理想なんですよ。
同じ熱意があるメンバーばかりならトラブルも少ないけど、現実問題やっぱりそれは難しい。
だからこそ、メンバー間の気遣いとかが重要になるんだろうけど、彼女は自分の手で東西南北を壊しちゃった。
けど、私は彼女が「諦めた瞬間」に思った。
やっぱり「人は失ってからこそ大切な物に気づくんだな」と……
大前提として「どんな理由があろうと人を傷つけちゃいけない」と思います。
ただ、それを踏まえてもやっぱり、「東ゆう」の様に誰かを傷つける事や自分の誤ちに気づけずに全てを無くす事って誰にでもあると思います。
で、私は東ゆうは全て失ったと思っていたんです。
夢も目標も友達も……けど、友達は彼女を見捨てずに友達でいてくれたんですよね。
亀井は東をヒーローだと呼んでました。
学校で先生やクラスメイトに無視されていた彼女を救ってくれた。
最初、東が4人の関係を「ボランティア仲間」と話した時に「友達」と答えない事に怒っていて私は面倒臭い子だなぁ〜と思ったのですが、その怒りの理由がこのエピソードで解りました。
で、大河と華島も実はアイドルをしているのは大変だったけど、「よかった」と言ってくれてました。
めちゃくちゃ大変なアイドル時代だったけど、東が集めた事から始まった関係と経験が彼女達に夢を見つける事になりました。
「人は失ってから大切な事に気付く」
東西南北ってグループは失ったけど、友達は失わなかった。
本当に1番大切なものは残ったのだと思いました。
そして、3人は東西南北としては活動は出来ないけど……東の背中を押す。
彼女の夢の背中を……
そして、完成した東西南北が歌うはずだった曲が
完成する。
解散前に皆で歌詞を描こうと話して解散してしまい発表する事が出来なかった2曲目。
それは東西南北の歌ではなく彼女達4人だけの歌へと姿を変えて。
数年後……そこにはアイドルとして活動する東の姿がありました。
さて、この作品は最初に書いた通りアイドルアニメですがアイドルアニメらしくはありません。
お仕事アニメって感じの方がしっくり来るき 気もしますが、考えさせられるものがテーマとして上げられています。
主人公の東ゆうは性格が悪いです。
途中、少し嫌いになってしまうけど最後は少し応援したくなる魅力を持った主人公ですが、これは個人の捉え方で評価の変わりそうで面白い魅力を持つ主人公ですね。
卒業しても4人は変わらずの関係って言うのも素敵な終わり方だと思いました。
後、個人的に東の「恋愛ってそんなに大事?」の質問に「大切な人が出来れば解るよ」の亀井の回答も素敵ですね。