「疾風!アイアンリーガー 銀光の旗の下に(OVA)」

総合得点
計測不能
感想・評価
9
棚に入れた
29
ランキング
7909
★★★★☆ 3.9 (9)
物語
3.8
作画
3.8
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.2

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takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

「何も考えないで見れる」には考えが必要。エンタメとは予想通り期待以上なり!。

 本編から変更点無しで、素直に上がりづらくなりがちな同じチームが敵味方に別れる展開を見事に捌いてるのが見事!。それにしても、どんどんゴールド三兄弟が輝いていくなぁ…。ということは本編と同じく最高!なので作品内容自体のレビューではなく、「何も考えないで見れる」的な言説に対するツッコミとエンタメについて。


 「何も考えないで見れる」的に言われるアニメや映画に批判的になると揚げ足取りだの素直に見ればいいのに…みたいな反発が生じがちな昨今だが、別に無理やり考えたくもないことを考えてるんじゃなくて、手際が下手くそだから気になってしまうだけなのだ。めちゃくちゃボケた事をしてれば、本人にそこ自覚なくてもツッコミ入れられるのは当然。エンタメとして上手くないのが悪い。


 では、何が問題なのか?というとまず初っ端のリアリティーラインやシリアス度の置き方を「脚本の人そこまで考えてないと思うよ…」by千代ちゃんだと失敗に陥りがちになる。それらを高めに設定しているのに細部にアラがあればそりゃあ気になる。考えさせないにためには考えが必要なのだ。見てる人を頭空っぽにさせるのは意義があるが、制作側も空っぽになっちゃアカン。シリアスぶってたり、リアルぶってたりするのに間抜けなミスが目立つんじゃ気になって仕方がなくなる。


 そこで、本作や実写映画だが公開中の「ゴジラ×コング」である。これらの作品にはありえないことのオンパレードだ。サッカーなのにダブルノックアウトみたいに敵味方全員がなったり、ゴジラとコングがウォ〜って擬音が見せそうなダッシュかましてきたり等々。


 しかし、そういう荒唐無稽さにいちいちツッコミ入れるのはどう考えてもナンセンスである。何故なら開幕、下手したらそれ以前からそういった馬鹿馬鹿しさまで含めた面白さを全力!で、なんの衒いも恥も外聞もなく正々堂々ぶち込んでくるからである。さらに、それによって心をガシっと掴むだけの演出力、キャラを描き込む筆力といった根本の底力が根底に流れている。細かいこと考えさせないためにはそれだけの力と配慮が、こちらの予想通りでありながら期待を超える、即ちエンタメ力が必須なのである。


 それらを備えてこそ「何も考えないで見れる」が成立する。「何も考えない」とは熱中させることであって、見てる先から頭から消えちゃうような中身スカスカの意では断じてない(もちろん日常系とかは一般的なエンタメの方式をそのままあてはめることはできない)。

投稿 : 2024/06/03
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サンキュー:

5

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