セシウス さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 1.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
グロ鬱と聞いていたが後味は悪くなかった
原作漫画は未読です。本編全13話とOVAを見た感想です。
全裸少女が人の首をすっ飛ばしたり胴体をまっぷたつにしたりと、過激な描写で特に海外で知名度が高い作品ですね。
強力な力を持った新種の人類とその研究機関との関係を、近隣の一般人と接触させることによってとても不幸に描いているSFドラマです。
脱走した新種人類のヒロインが偶然出会った廃旅館に居候している大学生に拾われて一緒に暮らし始めます。他に色々あって数人の少女たちも住み始めて共同生活をします。しかし、いわゆるハーレムラブコメとは全く異なっており、それぞれ悲惨としかいいようのない過去を背負っていて、悲劇的な結末へと収束していきます。新種人類の攻撃方法が見えない手で人体を切断したり引きちぎったりする、というものなので戦闘シーンがとにかくグロくて容赦がないです。そんな中でも過去を乗り越えて先へ進もうとするキャラクターたちには感情移入することができました。
主人公の男子大学生は、やはり悲惨な過去を持ちますがそれでも困っている人を見過ごすことのできない優しい性格で好感がもてます。外見はスクールデイズの主人公に似ていますが中身は大違いですw ヒロインやサブキャラたちもそれぞれ芯の通った行動をしていて無茶苦茶な設定の割にはストーリーにある程度納得感があって、魅力もそれぞれありました。声優さんたちもそれぞれキャラクターにあった声質と演技で良かったと思います。
作画は00年代にしてもレベル低めに感じました。キャラデザが古いのは別に良いのですが、歩いたりちょっとした動作がおかしく感じる時が多々ありました。手前のキャラと奥のキャラのサイズ感とか色々おかしいシーンが多かったです。バトルシーンはそこそこだったと思うので日常シーンの落差が大きかったです。
音楽は作品中のメインテーマになっているOPがとにかく凄すぎると思いました。ラテン語の歌詞に讃美歌の曲調、女性絵画の巨匠の絵をモチーフにした背景と、並のアニソンとはかけ離れたオープンニングになっています。劇中BGMとしても頻繁に使われていてこの作品の雰囲気を強く印象づけてきます。
鬱アニメと聞いていましたし実際そうだったと思いますが、生き残ったキャラクターはちゃんと前向きに生きていく姿勢を見せており、後味はそんなに悪くありませんでした。複雑なテイストのアニメが好きな人には超オススメの作品です。