セシウス さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ワケわからなさも原作通りだった
原作漫画は単行本を所有しています。全38話を見ての感想です。
第三部主人公の一人娘が今作の主人公です。罠にはまって刑務所に収監された主人公が主に刑務所の中で超能力バトルをするバトルアニメですね。一応父親と娘の親子愛や異生物との友情なども描いていますが、基本的にはただただ超能力で戦うストーリーです。
このバトルが今作は非常に難解で、何がどうなっているのかよくわからないバトルが多いです。原作がそうだったので、アニメ化にあたってもう少しわかりやすく解説してくれるキャラがいたりすることを期待したのですが、相変わらず制作陣は原作のコマや台詞を完璧に再現することに夢中で、わかりにくさもそのまま移植されている感じでした。
主人公はシリーズ初の女性主人公ですが、もともとジョジョシリーズはキャラクターの内面描写をあまりしないので女性だからといって特に変わることもなく普通に主人公していたと思います。ラスボスの敵キャラがかなり哲学的な人物なのでちょっと面白いです。敵も味方も大部分が囚人で、その性質はギャングだった前作よりも小物感が強く、低能で救いようのない感じがしてあまり好きになれるキャラクターはいませんでした。主人公からして収監されるまでの流れはお世辞にも好感度の上がるようなものではなく、よくいる愚かな少女という感じで、初代主人公が見たら驚くだろうな、と思いました笑
声優さんたちは原作のクセのある言い回しを精一杯演じていました。決して下手とは思いませんでしたが、思わず笑ってしまうシーンがところどころありました。声質は皆キャラクターにマッチしていたと思います。
作画は良かったのではないでしょうか。なにしろバトルシーンで何が起こっているのかよくわからないのは原作のままなので、ぬるぬる動いても良くは見えません。キャラクターの顔は崩れたりはしなかったと思います。敵の攻撃で本当に顔が崩れるシーンは多いですが。音楽は相変わらずバトルシーンは良曲です。過去作のアレンジバージョンも良かったです。OP曲は2曲とも印象が薄く、EDは今一つマッチしていないと感じました。
原作の第六部は、シリーズの中でもストーリー・キャラに魅力がなくラストがメチャクチャな作品なので、アニメではどのように面白くしてくれるのか楽しみではありましたが、やはり原作を忠実に再現しているだけでした。わかりにくさが別次元レベルなので、特にジョジョシリーズをはじめて見る、という人にはおすすめできません。