pister さんの感想・評価
2.4
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
観終わった
序盤なかなか良さ気な感触だったのに、途中からガクっと「あれ?あれ?」って方向に傾き、最後までそのままで終わってしまった。
それ以前にも気になる点はあったが、いよいよ無視できないレベルのケチが付き出したのは6話、ギルド昇格試験の話。
試験会場のダンジョンはギルド職員が見張ってて死ぬ様なことは無いって…これってどうなんだろう?
ボス部屋から傷ついた受験者をギルド職員が担いで出てくるシーンは何かの冗談かと思った。
エンタメとしての緊張感が欠けるのもさることながら、これではまるでダンジョンのモンスターはギルドの管理下…もっと言えばギルドが飼ってるかの様。
別の作品でそういう設定がある分には気にならないのだけど、「ギルドに隠し事をしてどうこう」って内容のこの作品に限っては、おかしいっていうか、合わないよ。
この調子ならギルドにレントの正体がバレても思いのほか丁重に飼ってくれそうで、自分の中では「バレたらアウト」という緊張感が一気に消え失せてしまった。
このエピソードだけなら「あの回は無かったことにしよう」と思えたかも知れないが、続く8話、村の生贄騒動の件が畳みかけられて、もうホントあちゃーって感じに。
いやぁ、そのさ、「ギルド」って何?
別の作品(農家系)でも、冒険者ギルドはあるのに農民ギルドが無いのが不思議で仕方なかったんだけど、こっちはこっちで不思議な存在。
「えっ、ギルドって実在したの?」っていう「えっ、アーサー王って男だったの?」と同レベルの、ネタだか本気だか分からない言葉があって…マジで言ってるタイプ?
一応これといった説明の無い作品の場合、自分は漠然と、時代劇でたまに出る地元のヤクザの親分って認識で…つまり役所とは違う、助成金はあるかも知れんが。
お役所(官営)だったら、城の警備や囚人の監視も“冒険者”がやることになってしまう。
また、依頼主が払える金額がクエ難易度と見合わなかった場合、その埋め合わせをギルドがしてくれないのはおかしい。
貧しい所はより貧しく、富める所はより富むだけになっちゃう。
じゃあ民営だとしたら、収入源(ギルド員の給料)はどこから?と考えると、クエストの仲介料だと思うのだが…依頼主が払った金と冒険者に払われる金の差額ね。
悪く言っちゃえば中抜きだけど、依頼側は「前金持ってトンズラこかれることが無い」「ドタキャンされて損害が出たらギルドがケツ持ってくれる」とか、冒険者側は「ギルドを通しての仕事中なら怪我をしても労災が下りる」とか、何かしらの特典は付くだろう。
ってかそうじゃなかったら、名が知れてギルドを通さず個人的に依頼が来る立場になった冒険者が幅を利かせるだけにならない?
ギルドは商売上がったりにならない?
また、ギルドの隣で「格安で仕事引き受けます」とノボリを立てて個人的に依頼募集を始める冒険者が居たら「ウチのシマでそれやられちゃ困るなぁ」と袋叩きになるんじゃないの?
何を細かいこと言ってるんだと思われそうだけど、3話でロレーヌがレントへスライムの溶液代を払う際「お前から直接買えばギルドの仲介料が浮くからな」と言ってるし、この解釈で合ってるだろう。
(この描写は、ロレーヌはギルドを裏切る=レントの正体を隠すことに躊躇がないというのを見せたんだと思う、この頃は「よく作ってあるじゃん」って評価だったんだけどなぁ)
で、このことを胸に刻んで8話を見てみよう。
ここでも依頼主リュントスは最初名も知れぬ冒険者から「ギルドを通さない依頼なんか受けられっかよ」と断られてる。
そこへレントがやって来て、ギルドを通さず個人的に依頼を受ける、いわゆる闇営業で、ギルド的にそれっていいのか?
更には問題解決後「土地の主として祀られる魔物は急に暴れたりはしない」と、レントは魔物のせいではないと見抜いてたことを明かす。
ん?
続く9話「伝説の湖の主を退治してくれ、なんて頼みは、そもそもギルドが受け付けない」と闇営業したことを正当化するための言い訳をのたまうが、レントがカラクリを見抜けて優秀なギルド員が見抜けない道理はない。
言い訳が苦しいぞ。
ってかいきなり討伐じゃなくて調査から始めればいいだけだし、クエスト内容を。
これってレントはギルドを出し抜いて発生したであろう仲介料をまんまとせしめたワケで、これをキッカケにギルドからの“探り”が本格的になるのかな?と思ったら…そうじゃないみたい。
ってか面子潰されたと思ってないみたい。
…。
ギルドって何?
もっと大雑把な存在でいいのに、なまじシェイラを「いい人」にしようとして歪んでしまった感。
もうね、こうなっちゃうとやってること、特に「正体バレたらヤバい」と振舞うのが茶番にしか見えず、以降は冷めた目で眺めるだけになってしまいました。
正体を知りつつ知らぬフリをする鍛冶屋とか、タダ飯を約束した店主とか、ギルドとレントと周囲の連中とでピリついた腹の探り合い展開になるのだと思ったんだよね。
吸血衝動も大したことないし。
まぁ序盤良い感じだったせいで落胆も大きいのかも知れない、最初から「いつものなろう」だったら違ったのかなぁ?
ってか途中で「もっとなろうらしい頭の悪い内容で」と脅迫された?
で、そうなってくると序盤気にしないでおいた部分も気になりだしてしまったり。
アンデッドいうけど、まず疫病疑わないの?とかね。
よくよく考えたら、ギルドを裏切ったら大変だって実例が作中無いんだよね、ボコボコにされて簀巻きにされたりしないの?
あるいは魔物が視界に入ったら殺さずには居られない凶暴な上位冒険者とか、居ないの?
口でヤバいヤバい言ってるだけで、どうヤバいのかサッパリ。
そして最後のバンパイアへの進化…もうこれ「かみなりのいし」でいいんじゃね?
あ、「ふんどのこぶし」の代わりに魔気融合術を20発撃とう、きっとそれで進化するよ。
総評
いつものなろうと思って見よう。
序盤変に期待を持ってしまうと落胆する。