テナ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『天才』は見つける者がいて初めてその輪郭を成す
ブルーロックの外伝の凪 誠士郎を主人公にしたエピソード凪。
今年公開作品で現状1番楽しみにしていました。
なんと言っても、私の推しキャラが主人公なので楽しみにしていましたし、原作者さんの考えるカッコイイを詰め込んだキャラが凪 誠士郎らしく、そんな彼が主人公で、ブルーロック本編を凪目線で描くのがエピソード凪です。
2024年4月の時点で原作コミックが4巻まで出ていまして、劇場版は1~4巻が映像化されており更にはその先の放送予定の本編の2期も少し凪目線で映像化されていました。
物語は大まかな流れは本編の潔 世一目線のブルーロックと変わらず、凪と玲王の出会いから、凪がサッカーを始めブルーロックに呼ばれると言う流れとなっております。
凪と玲王のファンの方は楽しめるかと思います。
最初は無気力な凪
ご飯を食べる事、歯を磨く事、学校に行く事、夢を見ること、全てが凪にとっては面倒で、サッカーを始めたのも玲王がしつこく面倒だから、「お前は俺の言う通り動けばいい」
だから、始めたサッカー。
けど、凪はブルーロックでその熱に当てられてサッカーの駆け引きの面白さ、勝利の喜び、敗北の悔しさをしり無気力な天才は目覚め始めます。
無気力の凪を見ていたら典型的なダメ人間に映る気もするんです。
働きたくない、一生ダラダラしたい、ずっとゲームをしていたい。
これって、客観的にみたらダメ人間に見えるけど、人間の本質だよなぁ〜って思うんですよね。
私も働きたくないよ?仕事も辞めたいし、学校の勉強なんて大嫌いだし、そりゃ〜好きな事して楽しくダラダラ過ごしたい。
でも、それは実際出来ないし、しちゃいけない気がするんです。
働かないと生活は出来ないし、勉強しないと何も解らない。
だから、してる。
それだけなんですよね。
凪もまさにそれで、学校に行ったり、ご飯を食べたり、歯磨きしたりと、だからしている。って感じですね。
だから、主人公としては凪の人間性も共感出来てしまう気がします。
「あっ、お金持ちの人だ、ねぇ?お金ちょうだい?」の辺りは、ちょっと引いてしまう部分はありましたが、それも多分凪なりのジョークなんだろうなぁ〜とww
で、この頃の凪ってサッカープレイ中の天才的な圧が凄いんですよね。
「W杯の決勝ゴールなんて俺には簡単に思い描けたし」なんて余裕をかますシーンもあるし。
ただ、その圧もブルーロックの総当たり戦辺りから薄れてくるんです。
ブルーロックに置ける凪 誠士郎はやる気のない天才。
未経験で経験者の数倍動ける、点が奪える、玲王に誘われたから彼の言う通りにしていれば考えなくてもいいし楽だから、サッカーをしている。
そんな彼がサッカーに本気になる。
自分で考えて行動して試して努力をする。
だからこそかな?
天才と言われ負けを知らなかった彼が負けたり、他人の才能に驚いたり絶望したり努力をして成長したりと変わってきます。
それが彼がブルーロックで変わることが出来た証明なのかも知れませんね。
サッカーに熱心に取り組む選手達、自分にないものを持っている潔 世一や自分より前を行く天才糸師 凛との出会い。
きっと凪が しっかり向き合えたから見えてきて変わったのだと思います。
もう、何も知らないままの天才は居ない、彼は元々が天才です、努力を始めた天才がどこまで成長するのか楽しみでしかありませんね。
凪も潔もまだ天才糸師 凛を追う立場です。
糸師 凛は天才ですが、彼は糸師 冴と言う兄を目標に努力を積み重ねたからこその天才です。
才能がある人間が天才ではなく、努力と練習と経験を積み重ねたからこそ天才は天才と呼ばれます。
しかし、凪は別格の天才です。
サッカーをルールも技も知らない初めて数ヶ月間のサッカー、初試合で強豪ダダダ高校から余裕で点を奪うわ、適当に出してみた蹴りが凄い技だったりする天才で、ブルーロックに来るまでは負け知らず。
そんな天才が努力をし練習して経験を積み上げたらどこまで成長出来るのか、凪の行く末が楽しみです。
御影 玲王は財閥の御曹司
金の力でやりたい放題でサッカー部でキャプテンにまで成り上がってましたねww
勿論、才能もあります。
そんな彼だから欲しい物は簡単に手に入ったし、そうした才能も習い事とかで培っていたのかもしれません。
けど、そんな彼は簡単に手に入る物ではなく「俺だけの宝物」が欲しかった。
それが、サッカーと言う世界一の目標で、凪 誠士郎と言う宝物に出会った事が彼を自分の夢へと背中を押すことになった。
けど、ブルーロックで凪がサッカーへの熱意や敗北の悔しさをしり「玲王、俺、やってみる」「負けるってこんな気持ちなんだね」その凪の言葉が嬉しくて、でも、寂しくもあって、凪にそうした影響を与えるのは、ブルーロックでも潔 世一でもなく、自分…御影玲王でありたかった。
だから、玲王より潔 世一とサッカーがしたいって言葉にショックを受けて塞ぎ込んでしまう
それは彼の勝手なエゴかも知れない。
凪は玲王の宝物だけど玲王が思い通りに出来るわけじゃない。
けど、この玲王の感じた悲しみや不安ってなんか解る気も私はするんですよね。
ずっと一緒にして来てその相棒に影響を与える事が出来たら玲王は素直に凪の成長を喜べたのだと思うんです。
玲王「そろそろ楽しくなってきたか?」ブルーロックに来る前から玲王は凪にサッカーを好きになって貰いたい、楽しんで欲しいって気持ちがあったんだと思います。
その回答に凪は「サッカーは別にやりたくないけど玲王と居るのは面倒臭くないからいい」と答えます。
きっと、玲王は凪がサッカーを好きになってくれるのも目標だったんだと思う。
サッカーをして良かったと感じて欲しかったのだと思います。
けど、凪を成長させたりサッカーで楽し気持ちを与えたのは玲王じゃなくて……
玲王って面倒臭い性格ですよね。
それでも、大切な相棒の成長のきっけに自分がなれたらと考えたらそれは最高かもしれない。
けど、それが自分じゃなければ悲しいかもしれません。
玲王の様に素直に喜べないかも知れないなぁ〜とも考えたんですよね。
勿論、相棒の成長なら素直に喜べるのが1番だと思うけど、潔 世一とのサッカーでサッカーの楽しさを知り一緒にしたいと言われると不安に感じる部分もあるんじゃないかな?
そんな気持ちもやっぱり相棒の事を大切に思うから生まれる気持ちだと思うんです。
カッコイイ人はもしかしたら、玲王が回想で思い描いた「行ってこい」と笑顔で送り出せるのかもしれませんが、そんなに簡単に割り切れる人の方が少ないかもしれません。
勿論、凪は2人が成長して改めて2人で日本一を目指すつもりで目標は捨ててないし、凪は玲王との約束の未来を信じているし、玲王には凪の力がなくてもブルーロックを生き残る実力があるのを信じているから選んだ凪の選択。
凪を信じきれずに自分が切り捨てられてしまう恐怖で凪を信じきれなくて不安から塞ぎ込む玲王とのすれ違いが悲しくも見ていて辛かったです。
凪にしたら、負けを知ってもサッカーの楽しさを知っても、目標は変わらなかった。
何故なら、玲王が居なければ凪は負ける悔しさもサッカーの楽しさすら知らずに終えていただろうから……玲王が誘ってくれたから今がある。
だから、凪は考えたんだと思うんです。
より2人が成長して、2人で日本一になる為に必要な事はなんなのか。
その夢を実現したいから。
さて、全体的、最初の前半部分の動きは微妙でした。
ニコや馬狼との試合は原作でも確かに多くはないのですが試合には映画オリジナルの動きを入れて欲しかったかな。
止め絵が目立つ感じがしていたし、何より本編では描かれてない部分でしたから、もう少し長く、せっかくの映像化だから動かして欲しかった気もします。
後半はかなり動いてましたし文句なしです。
3VS3はカットし過ぎですww
糸師 凛の登場は上がるけど、これエピ凪の原作ではちゃんとしているのにww
VS馬狼、玲王との再戦、リベンジ糸師 凛などを挿入歌で流すのは雑かな?
時間伸ばしてでも、劇場版2弾とかでもいいからして欲しかったかなww
少し驚いたのは、本編のブルーロックで、凪、玲王、斬鉄が鶴んで出てくるのですが、剣城 斬鉄ってブルーロックで出会ったのですねw
私は同じ学校か他校の知り合いなのかと思ってましたw
で、最後の玲王が凪に手袋を渡すシーンは良かったですね。
もしかしたら、このシーンの為に挿入歌に物語を載せて流したのかな?ww
全体的に面白い作品ですし見に行って良かったです。
原作のエピ凪も読んでますがそれでも全然満足行くレベルの仕上がりかと思います。