二足歩行したくない さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
俺達のブタ野郎はもういない、これからは俺達がブタ野郎だ
青春ブタ野郎シリーズ劇場版2作目。
放映版、劇場版1作目の続編で、原作ラノベ8巻のアニメ化です。
劇場版1作目はともかく、放映版の11話、12話で中途半端な感じで終わった部分の完結編となっているため、放映版の視聴は必須です。
特に、シリーズの核となる、思春期症候群に関して作中で説明は一切なく、また、11話、12話の振り返りもないです。
私自身、放映版視聴からかなり時間が経っているため、思い出しつつ視聴していたところがあります。
時間があれば、放映版を見返した方がいいかもしれないレベルで、放映版の内容がガッツリ関わってきました。
以下、映画のネタバレはないですが、放映版は見ているものとして感想を書きます。
本作に関しては、思春期症候群はあまり関係してこないです。
そもそも梓川かえでに関しては、その現象に関して「思春期症候群なのか?精神的な病ではないのか?」というところがありました。
また、それに関しても、放映版で解決した後の話であり、アザのできる現状は残留してしまっているようなのですが、それほどストーリーに影響しないというのが正直なところです。
そのため、先に、放映版見返すことをおすすめしましたが、ぶっちゃけ放映版見ていなくても内容は理解可能と思います。
シリーズの神秘的な、超自然的なところはボリューム薄めで、ただ、精神的に弱い中学生の妹が、高校受験を迎えて苦悩して、そして自分なりの答えを見つけるという物語となっています。
つまり、本作では、奇怪な事件が発生しその原因究明に奔走するようなことはシーンはほぼないです。
これまでもブタ野郎呼ばわりされるには違和感のある、生活感あるリア充が主人公でしたが、主人公もまた受験時期のため青春感もあまりなく、どちらかというと立ち振舞は妹の保護者ですね。
"おでかけシスター"なんていうタイトルの割には、兄LOVEな妹がブタ野郎兄に迫ってくるシーンは何一つなく、引きこもりの中学生を持つ親には真面目に参考になる劇場版でした。
タイトルだけアレですが、コミュニケーションを取ることはできるが学校へ行きたがらないお子さんをお持ちのお父さん・お母さんにはおすすめです。
内容的には過去作品比較するととても地味です。
いい話だとは思うのですが、カタルシスも特に無く、落ち着くべきところに落ち着いて終わります。
まあ、よかったねとはなったのですが、これは劇場でやるないようなのか、と思ってしまいました。
私はDVDで見たので普通に楽しめましたが、劇場で見ていたら感想は変わっていたかもしれないです。
なお、本作中に次回の伏線のようなものがあり、次回の劇場版作成も決定しているようです。
ブタ野郎シリーズは安定して良作なので、次回作も楽しみ。