正直者のくっしーだむ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:今観てる
作品のみに集中すれば良作品以上
圧巻の8話
現実社会を題材にしているからこその訴えかけてくる力が作品に生まれている。
今期のアニメ、だけに収まらず、近年のアニメで一番気持ちが動かされた。
まさに大どんでん返し。
【しっかりとした人情から伝わってくる情感】
どうしてこんな人格に形成されたのか、かつての信念、想い、そして現実を通った過程から生まれたものがしっかり作用しているのを垣間見れた。
今回で
1話のモモカの、あのソロライブにはどんな意味があったのか。
ニナとの出会いがどれだけの救いになっていたのか。
なぜ献身的にバンド活動をする人間が、プロを目指すことになると嫌悪を抱くのか。特に、なぜニナがその道を進もうとしていることに突っかかっていたのか。
5話Bパート:ニナの放送室のワンシーンも、
8話冒頭:かつてのモモカが`いた`シーンも、
全容を垣間見た瞬間、胸が熱くなった。
モモカ
過去に抱いた純粋な気持ちの体現。
活動を続けていく為に世の中に合わせ自分を曲げるその選択を迫られた。
諦念の気持ちを抱き続けて、最後の最後に本当の自分の曲のライブを行った。そして、ニナに出会った。
ニナ
過去に周囲によって排除され、事情をよく知らない第三者の人間によって、自分の気持ちを無かったことにされそうになっていたが、あるバンドの音楽によって、この気持ちに嘘をつきたくなくなった。
その精神(素直な気持ち)を大切に胸に灯し続けて、ここまで来た。
→(今思えば、あの反抗的な態度は、周囲にかき消されてしまうような個人の気持ちを必死に護る為に行っていた自己防衛の一種だったのだと理解した)
交差:
人物だけでなく、
過去の自分と現在の自分、
これを単なる一本の線で表すのではなく、
ちぐはぐに繋がって今の自分がある、その当たり前の複雑性こそ、
このアニメの良さであり、リアリティを感じられる重要な要素なのだと感じた。
作用:
やはり、ニナの反骨心が物語を確実に動かし始めている。
新しいメンバーも、音楽性は勿論、最後はニナの精神に惹かれてこのグループになった経緯もある。
そして、ここまでバンドが回っていたのは、スバルの取り持ちがあってこそなのは確かであり、このフォローが無ければ、ただぶつかり合う二人があの地点までは行けなかっただろう。
演出:
最後の、泣き声を、あの曲で打ち消した演出には感極まった。
作画:
冒頭の様に、やはり手描きのシーンが生み出す良さがある。
ここぞという部分で使ってきたのは良い意味でズルい。
それに、CGが主体の作品(描きこんだ半CG?)故に、髪の質感などでは不利な点もあるが、動作、表情の柔らかさはこちらの方が良い。
脚本の現実世界への帰結:
異世界物のように人物に都合のよくなる世界設定を一から作るのではなく、運命がトランプのカードをシャッフルし、我々が勝負する~(byショーペンハウアー)の精神で、現実社会で足掻いている人間をモチーフに作り上げているからこその共感性。
業界の展望:
作品にだけに集中すればだが、なんだか将来のアニメ業界にも明るい兆しが見えた。
こういった作品が今後も生まれるかもしれないし、もう生まれないかもしれない。
それ故に、今ある作品を大切に見ていこうと思う。
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初めは裏側事情ばかりを気にしていましたが、全てを排除して作品のみに集中すれば視聴継続可。
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以下2話視聴後感想(校正後)
社会にはじき出された人間というのは、他者に対する思い入れが違う
、、
家の確執だと思っていたが、「いじめ」が扱われている。
いじめからの脱却・復帰という面では、
その場の環境に飲まれてしまう人間の方が圧倒的に多い。
人自体が複雑で、それを取り巻く環境はまた別の複雑さ。
しかし、それでもこの少女は反骨心を持ち、独りでも世の中に立ち向かっている。この性格が後のバンド活動でどのようにぶつかり合っていくのかが見もの。
以下1話視聴後感想(校正後)
純粋に作品を通して気持ちを伝えたいのか、利益になりそうな題材を扱うだけのアニメなのか
大人の男性がプロデュースしてくれる名前だけのガールズバンドといった印象を持った
リアルの人間がアニメという援助を受けながらバンド活動を行っているように感じた
メンバーは声優とバンド業をこなせる人材というオーディション形式なのだろうか
基本的に作曲者は「ガールズバンドの誰かではなく」年食った大人
因みにアニメの出来栄えは
斬新ではあるが、風景は現実感があって、綺麗。楽器もリアルでドラムのハイハット凄い。