RFC さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
旅はまだ始まったばかり 頼むから最後まで行ってくれ
アニメ2008年版にドはまりした結果、原作読破済み。
【作品概要】
世界観は中世ヨーロッパ風。
そこで行商人をやっているロレンス。
お金をためて自分の店を持つことが夢です。
そんな中とある村で狼の化身ホロと出会います。
彼女は故郷に帰りたいと言い、
ロレンスとホロの旅(行商と帰郷)が始まります。
【作品に対する感想】
旧作視聴済み・原作読破につき
初めてのドキドキは当然ないんですが、
その辺差し引いても十分良かったと思います。
経済アニメという類を見ないジャンルなので、
敬遠される方もいらっしゃるかと思います。
それがよく分からなくても会話劇だけでも十分ハイレベルなので、
損は無いと思います。(絶対とは言いません ↓6参照)
2期決定みたいですね。
旧作で中途半端に終わった追跡劇。
是非とも描き切ってくりゃれ。
1)物語
旧作ではスキップされてしまったエルサの話を入れてくれって
「よっしゃああああああああああ!」でした。
物語最後まで行ってくださいね!
オナシャス!
作り込まれた宗教観、商業のシステムの描写の緻密さは
やっぱり流石と思います。
特に宗教観は旧作でスキップしてしまった
エルサの話を入れたことで、異教徒の対立具合が
解りやすかったと思います。
一方で為替や信用買いなど、普段接点がない視聴者からすると
なかなか理解が追いつかないところは難しい問題ですね。
図表的な説明があれば、理解しやすくなると思うんですけど
テンポ悪くなるでしょうからねぇ…。
二律背反で判断難しい所です。
動画で解説してくれてる方もいますんで、そこ頼みですね。
現代の子供って、こういう教育も受けてるんでしょうか?
だったら理解が早いかも。
2)作画
絵の綺麗さは旧作よりも格段に上がっていると思います。
キャラデザも基本的に旧作を踏襲していると感じました。
ちょっと気になった点
・ホロが盛られてる気もしますが…。どこを?いや…。
・小麦のさざ波のCGがちょっと違和感感じます。
・ホロの狼姿が犬っぽくてちょっとかわいすぎ。
3)声優
主要キャラを15年前の旧作と一緒にするのは
吉と出たようですね。
違和感なく没入できました。
ただ、ホロはもうちょい「かわいすぎない」方がいいかも。
「気高き賢狼ホロ」感強めが好み。
ま、この辺は時代かもですね。
4)音楽
OP「旅のゆくえ」「Sign」
旧作OPは超お気に入り「旅の途中」
比較はしちゃうんですが、今回もトーン低めの曲調が好きでした。
歌詞に「旅の途中」を入れたのは、
旧作ファンにとってはエモいですね。
BGMは旧作の方が好みでした。
5)キャラ
➀ホロとロレンス
お互い価値観や立ち位置が違ったりなんですが、
双方が自立して、ギブアンドテイクで、
ちゃんと対等なのがいい関係だと思います。
相乗効果で、WinWinになってるところがいい!
➁エルサ
初対面の印象は悪いものの、
生真面目な性格と義理堅い所は好印象でした。
あの歳で司祭の跡継ぎとか、きつすぎるポジションで
頑張ったと思います。
真面目ですが、盲目的というわけではなく、
切り捨てていい所とダメなところは判断してるところもいい。
勝算なく村に戻る決断したところはちょっと痛切でしたけど。
そういう覚悟無しに生きていけない世界って、
ほんの数百年前は普通だったんでしょうね。
なんだかんだ言って、現代って守られてる世界だなと思えます。
6)好きなシーン
旧作でピックアップしたのは含めません。
{netabare}
➀賢狼ホロ フードをとろうとした若造を一蹴
旅は立つ前が最も楽しく
犬は鳴き声だけが最も怖く
女は後ろ姿が最も美しいものでありんす。
気軽にひょいとめくれば人の夢を壊しんす。
わっちにゃあ、そんなことできんせん
見た目若い娘がこんな老練な言い回ししたら
呆気に取られて何もできなくなりますよね。
こういう粋な会話劇がこの作品の魅力の一つだと思います。
➁同じものを観てるようで違う
ロレンスが「農民は時間に正確」と言ったことの
ズレを指摘したホロ。
時間に正確なのではなく「空気に正確」。
言い得て妙ですね。
やつらは夜明けの空気で目を覚まし、
朝の空気で畑を耕し、午後の空気でくさをむしる。
雨の空気で縄をない、風の空気で作物の心配をする。
春の空気で芽吹きを喜び、夏の空気で成長を楽しみ、
秋の空気で収穫を笑い、冬の空気で春を待ちわびる。
➂商売に絶対はない
「絶対もうかる」は怪し過ぎるってやつですね。
アニメにも絶対はないようにw
➃有利な契約をあえて破棄
物語の詰めをホロの力に頼りがちなロレンスが、
商人として見せた力が良かったです。
有利な契約って、使いこなせない乗っかるだけの人が
持ってても、火種にしかならない…ってことですね。
自立のための特産物まで用意して。
すげーですわ。
{/netabare}
7)リメイクの弊害
旧作がツボにはまった私としては、
リメイクってどうしても違和感が出ちゃいます。
その演出、その絵、その曲が標準になっちゃうんですよね。
リメイクされてるドラえもんの歌も、
自分の世代に視聴したものがやっぱり一番しっくりくるわけで。