イチゴン さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「つながるメロディー」(最高の作品)
最終話
信じていたことが実現することは、素直にうれしい。12話を観て、もしかして?という思いがよぎっていたのかもしれない。1期から足かけ約10年、悲しい事件はあったが、3期を京アニは全力で制作した。全13話の全てを考えぬいて、ストーリーをつなげた。最終話はこの10年の走馬灯のシーンでもあり、鑑賞は至福の時間だった。
1期2期映画の名場面ともよくつながっている。きっと、再度見返している人も多いだろう。また、新しく観る人も……。
3期はNHK日曜日夕方5時放映で、全国の青少年や大人たちが観たであろう。学校での部活の伝統、人生へのこれからの意義がぎっしり詰めこまれていた。走りすぎの感じもあったが、1期2期にあった同じ行事や特にエピソードのないものを省き、演奏は「ここぞ」という場面にまでとっておいて感動を高めた。3期1話OPと最終話EDがきれいにつながっている。
「北宇治高校、ゴールド金賞」!このカタルシスは一生忘れない。「響け!ユーフォニアム」という作品は永遠に私とみなさんのこころに残ります。
(残らない人は寂しいヒトだよね、たぶん)
京都アニメーションの代表作として、また子どもたちの生き方、大人の人生の指針として、つながれていく作品。最高の作品の一つ
「響くのは、楽器だけではない。
ひとのこころにも響くのです」
第12話
OPとEDをカットした最重要回。視聴後に言葉を失った。オーディションではソリの演奏を、奏者が分からないように流した。視聴者もまた、部員と同じく評価できるように。
オーディション前の久美子と真由、オーディション後の久美子と奏、そして特別な場所での久美子と麗奈の場面、すべてが今までになかったほど、心に強く響いた。視聴前は、どこかうわついた安易な予想をしていたのが恥ずかしくなった。素晴らしい脚本だった。
真由は自分の演奏にだけは「ウソをつけなかった」んだ。納得のいく理由だった。オーディション後の真由の涙……。
奏の久美子への信頼は、久美子とあすかとの関係と同じ。これは強豪校としての伝統。たんなる1期のオマージュ以上の意味がある。奏は思いのたけを全力で出しつくした。今までは、シニカルだったのに。成長したね
久美子と麗奈については、言葉はいらない。
原作改変について、原作者が、Twitterで言及した。当然、脚本家から提案があって監督及び原作者の了承があった。視聴者として、この改変はまったく批判にあたらない。批判覚悟で、物語を深く掘り下げたことへ、むしろ敬意すら感じる。京都アニメーションは素晴らしい。
次回、最終回。
今回のキャラクターたちの涙が報われると信じる。
「そして、次の曲が始まるのです」
(公平な結果は、誰にとっても
平等というわけではない)
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待望の3期開始。京アニの全力を感じます。
原作は(ネタバレ以外は)読んでいないです。。
第1話
担任の先生が、「3年になったいま、自分はなにであるか?なにで、ありたいのか?」と問います(伏線)。
まぁ、ネタバレに触れちゃったので、
バラすけど、久美子は、音楽教師になります。
でも、まったく違和感ないし、素敵な話です。
そして、黒江真由の登場。
黒江 真由 「わたし、合 奏が好き」
黄前久美子 「わたし、北宇治が好き」
(高坂 麗奈 「わたし、滝先生が好き」)
(視 聴 者 「わたし、ギスギスが好き」)
真由(と麗奈)がからんでギスギスする今後の展開は、楽しみしかない。。。
第2話
久美子部長は想像する。全国大会での最初の音は何か?
アンサンブルで全国大会にいったクラリネットと。幹部三人の意見で、自由曲の選曲は一致した。
暗かった背景が、一気に夕陽で明るくなっていくそのときの演出は、感激。
第3話
一年生編のときには、厳しい指導は顧問の先生が直接していた。しかし、三年生編の今は、顧問の先生は指導を三年生にほぼ任せている。厳しい口調は先生も麗奈も同じなんです。一年のクラリネットエースは初心者の気持ちに心を痛めた。久美子部長はしっかりと気持ちを受け止める。
背景や細やかな演出がそれぞれに、意味がありとても見応えのある回だった。真由の「たかが部活」の伏線もさらにはられた。
今季いちばんの作品との判断に至った重要な序盤。作画はさらに魅力を増しており、京アニ最高峰。
第4話
サンフェスの演奏丸ごとカットなのに神回!!!
細やかな演出がピカいちで、求くんのエピソードともからまって、感涙。
久美子部長の成長著しく、あずさちゃん登場にもひけをとらない。また、麗奈の一年へのフォローもあり、もやもやもすっきり。この回も、光(タクシーのライト)の演出見応えあり。
また、久美子の姉へのLINEや部屋の窓の開閉などの語らないストーリーがかなり魅力。
エンディングの演奏曲には思わず感動した。
第5話
次回オーディション編に向けてのいわゆるため回。しかし、随所に細やかな演出・伏線が散りばめられ、とても楽しめた。トランペットとユーフォニアムのソリ(ダブル楽器ソロ)を久美子か真由なのか?麗奈はもちろん久美子希望だけど。。
麗奈と久美子の関係は女性原作者ならではの繊細な描写。また、久美子の進路についての父親の反応もほっこり。
3期はとにかく久美子の前に現れるキャラの登場が突然過ぎで、久美子と同じように思わずどっきりして、共感してしまう。
第6話
原作ネタバレに触れてしまったことに後悔。原作ではソリが真由と麗奈、奏が落選(←これ関西大会→)チューバが一人増える(さつき復帰)だったみたい。
府大会では順当に久美子、真由、奏。そして葉月ちゃんがついに吹けるように(ツイッターでトレンド入り)。チューバは音量重視で1年抜擢。クラリネットはアニメでは省略。
真由は、久美子に近づきたいのにかわされてしまう。女の子版秀一みたい。府大会ソリは決定ですが……。不穏な感じ。今回はやや駆け足ぎみのテンポでしたが、楽しめました。
(原作ネタバレみないほうが良かったと後悔)
第7話
前半走り気味(サンフェス演奏や府大会演奏と金受賞、修学旅行カットなど)を補うべく後半への序章。いよいよ真由を中心にした不穏の始まりの予感。久美子が真由を苦手にするのは自身の投影だから。真由と久美子が、瞳のなかで互いを映しだす演出はドキドキだった。真由は実力をだすと言ったとき麗奈が反応したのは、すごい伏線。。
どのような感じで関西大会のオーディションがあるのか、ネタバレ分かってても、どぎまぎしてしまう。先輩たちがOPや本編でてくるのも伏線。奏の生意気な雰囲気も。今後は、じっくり描くと思います。真由は過去だけでなく現在の久美子も映している。安全地帯から眺めるだけではなく、本音をぶちまけなければ相手は本気にはならない。真由もそのことに気づいている。裏ボスとか闇とかではない人間性の真価生き方そのものが問われているのです。
久美子はソリを落ち、奏はメンバーからはずれます。チューバは一人増えます。北宇治吹奏楽全体のために。でも、それ納得できる?真由も奏も久美子も麗奈も部員も誰しもが混乱します。これは次回を観るしかない。明確な基準のない楽器や吹奏楽。これって社会にでてもありますよね。
次回が待ち遠しい。いつもは、まとめて一気に観ているので、久しぶりの感覚です。
第8話
アニメ本編として観ると、やはりドギマギした。「上手い人が吹くべきだ」が、いつのまにか「滝先生が選んだ人が吹く」に変わっている。1、2年生は滝先生を3年生ほどは、絶対的な信頼を置いてない。府大会オーディションでは、久美子ですら滝先生に一抹の不安を抱えていた。滝先生の発表に動揺していたのは、むしろ1、2年生だった。1、2年生は、滝先生よりも久美子部長を信頼しているのではないのか。その部長がソリを落ちた。また、奏落選の理由もさつきのときと同じく言わない。
次回、部内に動揺が走るのは必至。久美子は、おのれ自身と部内の動揺をまとめなければならない。
今回も、細やかな演出に感動した。冒頭、バスの場面ではフロントガラスに運転手の姿を映している。数秒もないカットで……。走り気味だったストーリー展開も本題に入ってきた。関西大会をうまく乗り切れるのか?どうなるのか?3期はOGがOPにも本編にも出てくる。これは、単なる懐古ではない重要な伏線。
「知らないことのほうが良いこともある」の言葉は胸に刺さった。
第9話
滝先生との向き合い方が本題。指導者に徹底盲従する麗奈。ブレを感じる他の部員。
真由は強豪校ですでに全国金受賞の経験があるのか(どうか分からないが)、合奏を楽しみたいという音楽の本来のあり方から、ソリは譲ろうとする(なんなら府大会はオーディションまで辞退しようと)。
久美子は、部の不穏な雰囲気に戸惑う。指導者盲従が正しいのか?音を楽しんでいるのか(滝先生も)?久美子と麗奈は決別しちゃう。
感想としては、滝先生は言葉が足りなさすぎる!!! 部員が音楽をしてないことが分かっていないのでは?次回、久美子は滝に尋ねる。しかし解決はしないだろう。関西大会は大丈夫なのかな?麗奈とはどうなるのだろう?
次回も観たい。最後の最後(全国の演奏)ははしょらないことを期待(とくにクラリネットの出だしとソリ)。真由には、つばめがいて良かった。真由にはまったく悪気がない。関西大会では引っかかるものがあっても、最後の全国大会演奏は最高に楽しみ最高の合奏をするだろう。
また、奏が部全体を把握し、久美子をフォローしていたのも印象的。秀一の不機嫌はいらなかった(と思う)。
今回も小さな印象に残る演出が随所にあった。階段で真由に呼び止められたあと(の久美子の返事は恐ろしかったマジで)、久美子が足早に部屋に帰るときの天井の描写など。
第10話
濃密な回だった。原作を前提にしないと理解が追いつかないかもしれない。また、原作からの改変もある。アニメとして、とても楽しく、もやもやがなくなった爽快感。前半までは、これまでの部内のギスギス感が頂点に達した。アニメは観て楽しむものであるはずが、苦しくなっていた。
久美子の悩みは、部長として当然のもの。麗奈みたいには割り切れない。だから先輩たちは、久美子を部長にした。顧問の滝先生は、音楽の指導をしているのであって、部員たちのまとめ役ではない。そして滝先生自身が方向性に迷っている。ソリを変えたのも迷いの表れ。香織先輩とあすか先輩の言葉は正しい。あすかはいう、後輩久美子が思いのたけを振り絞ったときの言葉が正論ではなくても心に「響いた」と。大人びた先輩たちの言葉は重い。
ラストの久美子の言葉は、感動的だった。麗奈が頭を下げたのも象徴的。真由も迷いはなかった。演奏は、全国大会までのお楽しみ(かも)。でも不満はない。
第11話
関西大会金受賞と全国大会出場を北宇治は決めた。久美子部長の演説は部員たちに大きく「響き」ました。しかし、全国大会の前にもオーディションはあります。関西大会での麗奈と真由のソリは良かったとの部員の評価。府大会ではなかったもの。今後の焦点は、久美子の進路と久美子がソリとなれるかの二点。
みぞれ先輩の大学での演奏会があり、久美子は化粧(麻美子姉の手ほどきで、可愛かった)して出席。みぞれ先輩から、久美子の音大進学は想像できないと言われます。それは、久美子の本心そのものでした。
真由は、またも久美子にソリを譲ると言います。そのときは、「久美子「さん」の本心?」と、さん付けで(さんに聴こえた。2回目はちゃん)。奏は、それって真由が譲りたいのではなく、久美子が真由にソリを譲ってほしいのでは?と言います。真由は自分を出さずに寄り添っていく演奏スタイル。久美子が自我を主張できるかどうかが分かれ目な気がします。
次回は、真由と久美子の本心がぶつかる回となるでしょう。真由がどんな気持ちなのかその人となりは、原作では深堀りされていない。次回は、真由に焦点があたり、アニメならではの話となるでしょう。響け!は、アニメと原作が相互に高めあっている作品です。楽しみしかない。