「SYNDUALITY Noir 第2クール(TVアニメ動画)」

総合得点
64.0
感想・評価
46
棚に入れた
131
ランキング
4052
★★★★☆ 3.2 (46)
物語
2.9
作画
3.5
声優
3.4
音楽
3.2
キャラ
3.3

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ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

前期後期まとめての感想

一番最初の印象はエレメンタルジェレイド系。
で、2話を見たら「なぁんかサクガン臭いなぁ」と思い、そんな感想を抱いた人が私以外にも居てニッコリ。
アルスといい、サクガンってのはいちジャンルとして確立している!?嫌なジャンルだなぁ…。
とにかく2話が酷い、この回が無いだけで印象は随分変わる気がする。

2話のダメなところ。{netabare}
画面を見てれば分かることをいちいち台詞で説明されてイラっと来たことは無いだろうか。
心情の説明もそう、セリフで喋られてしまったせいで台無しに感じたり、過剰演出でウンザリしたり。
逆に説明不足過ぎるとこれはこれで問題で、いい塩梅の・どこまで解説したらいいかのライン…お節介ラインとでも言おうか、それの調整が難しいの分かるが2話は突出してこのお節介ラインが低い。
「ノワールの記憶は今のままでいいかも」「自分はノワールのマスターに相応しくないかも」と一旦諦めかけるも「いやそれでも!」と奮起する流れ、全部セリフで言っちゃったよw
というかセリフで言っただけで葛藤パートはそそくさと終了、待て待てそれ本当に葛藤したのか?
そしてなによりダンゲの扱い。
この作品ってどういう雰囲気なんだろう?と探ってる2話の段階でのこのキャラの登場は謎。
キャラとしてアレなのもさることながら、作中の流れ自体が変。
人のメイガスを攫った悪いヤツを懲らしめてメデタシメデタシってノリなんだけど、いや、攫ってなくね?
ノワールをグルグル巻きにしてエッホエッホと担いで連れ去ったワケではない。
言葉巧み(?)にそそのかしてはいるが、それでキャリア破壊されるのは割に合わない。
更には一連の騒動が終わった後にカナタは正式なマスター登録して…え?つまり登録されてない段階でダンゲを断罪したの?
むしろカナタの気の迷いに振り回された被害者のような?
なんかおかしい。
ダンゲだけじゃなく世界全体の倫理観というか法則が歪んでて、お節介ラインが低いハズなのによく分からない、これがサクガンみたいと思わせる原因かと。{/netabare}

それとは別に、こんなことも思ったり。{netabare}
バンナムのゲーム原作で2クールものというとちょっと前にスカーレットネクサスというのがありまして、そっちは個人的にはアレな出来でした。
情勢が目まぐるしく変わり、キャラ達はそれに振り回されるばかりで能動的なことをする暇も無く、結果的にみんな個性が薄い内容だった。
ひょっとしてその反省を生かして今回はワザと情勢の変化を抑えてる?
遅々として話が進まず、キャラ同士のわちゃわちゃが多いのはそれが原因…だとすると、スカーレットネクサスで批判しまくった私も「なんか悪いなぁ」と若干負い目を感じたり。
いやでも限度があるでしょー、両極端はダメよ、大切なのはバランスよバランス。{/netabare}

さてさて、それとはまた別にこんなことも思ったり、ってかこれが本命。{netabare}
話の枠組みが…アニポケのリコロイと同じ。
楽園ラクアに至ったとされる伝説の冒険者ルシアスってのがおって、かつてソイツと共に旅をしたテラパゴスがおって、主人公はソイツとラクアを目指してて、ソレを狙う敵対勢力となんやかんやしながら成長してく…私の文章力の問題で言葉足らずになっちゃうけど、妙に共通点が多い。
あっちはあっちで佐藤大でめっちゃエウレカセブンなんだけど…って思ったらこっちは前期エンディングがユリイカかいw
(因みにアニポケではジガルデ登場でユーリカを想起せずには居られないことになってたり)
ってか一部スタッフが被ってるんだよなぁ、赤尾でことか。
どっちが先だか知らんしリコロイのプロットをリークなんてしてないとは思うが、ネタの使い回しとかしとらん?
少なくともダンゲのキャラクター(個性)はリコロイで居なくなったロケット団のソレ。
また、アニポケに於いては難局に追い込まれて「力及ばずで悔しい!」と思うと進化して打開するのがお約束で、ついでに進化すると一旦ツンモードになることがままあって…ミストル登場時がまんまソレ。
こっちがタイミング先だったので印象を引っ張られて、ニャオハが進化したら素っ気無い態度になるんだろうなぁ、と思ったらそうじゃなくていい意味で予想を裏切られた。
この作品のおかげでリコロイをより楽しめたといえる。
リコロイではないアニポケ(サトシが主役のやつ)を見ながらエウレカ7みたいな作品を作ろうとしたら、リコロイみたいのが出来上がったかのよう。
皮肉ではなく、リコロイは恐らく3年コースでまだ放送中で先の展開が不明なので、それを予想するのにこの作品はいい手がかりになりそうな予感。
2024、3月時点でラクアはまだ何処にあるか明かされてなく、自分はエリアゼロで地下だと予想してたが、こっちを見たらひょっとしたら宇宙という可能性も…充分ありえるなぁ、とか。
レックウザがオゾン層を住処にしてるしなぁ。

ということで、私はこの作品はリコロイの外伝というかパラレル?作品として捉えてて、その目線で見る分には「カナタがメイガスを特別扱いしないことが特別」という設定が表現し切れてない違和感は、さほど感じませんでした。
まぁ順序が逆か。
ポケモンは見た目からして人間でないのは明確でわざわざ説明する必要がなく、その前提で話が作られてる。
じゃあそのノリのままポケモンを人間ソックリな姿にして話を組んだら…そりゃおかしくなるって。
わざわざ人間ソックリであることの必要性が何処か行ってしまってるのは確か、vivyを思い返すと痛感する。
自分は気にならなかったけど評判が芳しくないのはココかなぁ?と。{/netabare}


といいつつ、ここはちょっと…と思ったのは {netabare}人格3つで体が2つ問題、昔とった杵柄で青豚の妹パートの発展形を狙ったんだろうけど──

メイガスを信用できなくて「いつか裏切るぞ」という考えに支配されてるヴァイスハイトは「マスターの命令に背いた証拠を掴んでみせる」が目的化してた。
まぁメンヘラが、パートナーは浮気してないのに浮気してると言って探偵雇うようなモン。
浮気してないと報告を受けて安心したい割に、疑う気持ちを消すことが出来ず別の探偵を雇い続ける状態。
ハタから見たら「それ見たことか、メイガスがマスターの言うことに背いたぞ」と指差してメイガスを糾弾したくてたまらない、そのための実証が欲しい。
ということでシエルをカナタの元へスパイとして送り込み、充分親しくなったところで「そいつを殺せ」と命令した、尻尾を掴もうとして。
恐らく今までも何度もそういった無理難題を課してたんだろう、けどなかなか期待通りの結果(命令に背く)にならなくて初期化を繰り返してきてた。
そのタネ明かしをしたのも揺さぶりの一環だったんだろうが、対抗策を与えるキカッケになってしまった。
ってことで命令拒否は希望通りながら、再起動拒否は予想外。
また、希望通りでありながらもいざ実際に背かれてみたら案外ショックだった模様。

──と、ここまではいい、メンヘラがよく書けてると思う。
ただ、カナタの扱いがよろしくない、「シエルのマスターは何でそんな事を」と言ってて、上記のヴァイスハイトの思惑を知らない。
これではシエルがどんな苦しい思いをしてたのかも知らないし、葛藤の末に下した決断──「シエルの気持ち」でいいか──を受け止められていない。
い、いいの?それで。
これじゃあ「ゼロ型のボディ欲しいなぁ」と願ったら降って沸いてきたのと変わらんような…モノ扱いしてると変わらなくない?

また、命令に背きつつも善き隣人でありえるパターンとしては「誤った選択をしたら止めに入る」があると思う。
22話終盤、リヒトを殺そうとしたマハトをシュネーが止めるシーンが正にソレで「おおっ!?」と思える瞬間なのだけど、この現場もカナタは知らない。

なんか、主人公の与り知らぬ所で勝手に問題が解決して、主人公の前には都合のいい結果だけがお出しされてるみたいで…それっていいのか?{/netabare}


と、ここまで長々と批判を書いてきたが、全体的にはそこまで悪くなかったような?{netabare}
1クール目のお茶らけ展開がサクガンしててアレだけど、そこを乗り越えれば割かし楽しめる。
なんせスカーレットネクサスは「これから宇宙(月)へ行くぜ」で終わったので、しっかりと宇宙へ行って、解決までしてくれたのは評価したい。
メイガスが人間ソックリであることによる悲喜こもごもが薄いのは全くもってご尤もで、だけど人語が喋れるメタモンだと思えば気にもなるまい。
オチというかラスボスの思惑も、ノワールはイストワール(アルセウス)の分体だという解釈ができなかった見当違いが敗因、というとても分かりやすいものだった。
ってかボールロックシステムだよなwメイガス停止って。
そういやPSO2では敵ボスの一人は「英知の結晶っぽい存在に繋がる特別な杖の使用権限の一部を委譲された人間…のクローンを作りまくって英知の結晶に至ろうとしてた」というのを思い出した。
敵の動機の別解釈として全然アリだと思う、できれば「イストワールもメイガスと変わらんぞ」と主人公に言われて絶望に顔を歪ませて欲しかったが、それは高望みしすぎか。{/netabare}


総評
序盤キツいけど(なんなら第2話は飛ばした方が良い)ポケモンのリコロイのパラレルとして平行して見ると結構楽しめた。
人間ソックリなAIとの悲喜こもごもを期待してはいけない。

投稿 : 2024/04/07
閲覧 : 103
サンキュー:

4

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